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分裂を煽るだけのトランプ「フェニックス居直り演説」
これまでは社会的に存在が許されなかった「ネオナチ、KKK、白人至上主義者」を許容するムードは拡大したと言えます。南軍記念碑に関しては、大統領自身が婉曲な言い方ながら撤去への反対を口にした、これも深刻な状況です。
今回のフェニックス演説は、このように社会における2つの分断をより煽った形となりました。1つは「トランプ支持者(トランパー)」と、それ以外の「アンチ・トランプ派」の深刻な分断であり、もう1つは、トランプ大統領と議会共和党の分裂です。この議会との対決ということでは、演説にあった「政府閉鎖になってもいいから壁を作る」という部分が、悪質な挑発と受け止められており、早速ライアン下院議長が反発するなど、政局は波乱含みとなってきました。
21日の「アフガン戦略」演説の内容が常識的であったのを好感して上げた株価も、22日の「フェニックス演説」の翌日は、ダウが87ポイント下げるなど困惑した空気を示しています。
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