- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- サウジ・イラン断交は原油価格上昇を狙った「一種のヤ…
サウジ・イラン断交は原油価格上昇を狙った「一種のヤラセ」
テヘランのサウジアラビア大使館前でシーア派指導者ニムル師の処刑に抗議する人々 Raheb Homavandi/TIMA-REUTERS
新年早々、サウジアラビアのサルマン国王は、かねてより死刑判決の出ていたシーア派指導者を処刑しました。この処刑がイランを激怒させることは承知の行動であり、その直接の原因としてはサウジ領内におけるシーア派反政府運動が、イエメンでのフーシ派と連動する中で、アラビア半島の平和を脅かしていることへの危機意識があると推測されます。
では、これでサウジとイランの関係はどんどん悪化していくのでしょうか?
例えばサウジと「シーア派の多数支配によってイランとの関係を強めつつある」イラクの現政権との関係が決定的に悪化したり、さらにはイランを挟撃する効果を計算してサウジが同じスンニ派のISIL勢力との対決から逃げたりするようなことがあるのでしょうか?
その延長線上で、中東で本格的な戦火が起こる可能性はあるのでしょうか?
可能性は低いと思います。それは、今回の事態は、サウジとイランが「抜き差しならない利害対立」を抱えて、その衝突へと向かうコースを取った、その前哨戦ないし、序曲では「ない」と考えられるからです。
では、ペルシャ湾をはさんだ両国には一体何が起きているのでしょうか?
1つの鍵は、処刑報道後の展開の速さです。イランでは処刑のニュースを受けて、間髪を入れずに群衆がサウジの大使館に投石や放火を行っていますし、その放火事件を受けると、これまた即座にサウジはイランとの断交を決定して、イランの外交官に国外退去を命じています。
一見すると、乾いた薪がメラメラと燃えるように一気に危機が進行しているように見えます。ですが、本当に深刻な危機が進行している場合は、そんなに「軽いスピード感」に乗って事態が動くことはないはずです。少なくとも同盟国や関係国との調整があって、その上で色々な努力の影が国際社会に漏れてきて、緊張が高まる中で事態が動いていく、国家というものが危機的な状況への突入を決意する場合にはそうした時間の感覚を伴うものです。
では、今回の「お互いの電光石火」というのは何なのでしょうか? それは、「緊張を相互に演出している」つまり、サウジとイランの「一種のヤラセ」だと考えると辻褄が合います。
ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険 2025.01.15
日鉄はUSスチール買収禁止に対して正々堂々、訴訟で勝負すればいい 2025.01.08
日本企業の国内軽視が招いた1人当たりGDPの凋落 2024.12.25
日産とホンダの経営統合と日本経済の空洞化を考える 2024.12.18
医療保険CEO銃殺事件が映すアメリカの現在 2024.12.11
二期目のトランプと「現実世界」を繋ぐのは誰か? 2024.12.04
日本とアメリカの現状否定票、その共通点と相違点 2024.11.27
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員