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軍事パレード直前に爆発事故が続く中国の皮肉
9月3日、北京で抗日戦争と反ファシスト戦争勝利70周年を記念した軍事パレードが行われるが、今回のパレードはまったく普通ではない。パレードを極めて重要視している共産党政府は、当日の北京を青空と白い雲の好天にするため、北京市と天津市、河北省、山西省、内モンゴル自治区、河南省と山東省の7省・直轄市の1万を超える工場に生産停止・生産制限を命じ、9000余りの工事現場の工事を停止させた。農家の「かま」での煮炊きによる排煙すら禁じた場所もある。北京市ではナンバーに基づく車両の通行制限も続く。
共産党政府は治安維持にも相当敏感になっていて、地下鉄では最高レベルの警戒を実施。公衆トイレに行くにも実名登録が必要になった。百万人近いボランティアを治安要員として動員されているが、あきれることに事前に決まっていたかなりの数の文芸イベントや新書の発表会、展覧会までが中止に追い込まれた。
しかしパレードの準備が進んでいた8月12日、天津市塘沽港で世界を揺るがす化学物質の大爆発が起きた。22日には山東省淄博の化学工場で爆発が発生。一連の爆発事故は、共産党政府の監督能力不足が制御不能のレベルに至っていることを暴露した。天津の大爆発で政府はいつも通り真相を隠し報道をコントロールしようとしたが、今日にいたるまで空気の汚染がどれくらい深刻なのか、そして死者が何人なのか不明なままだ。
20日、爆心地から6キロ離れた天津の川で魚が大量に死んでいるのが見つかり、9・4キロの地点にある「エコシティ」では多くの植物が雨に濡れた後、枯れているのが発見された。政府は魚の大量死は過去にも何度もあったと抗弁し、天津市環境観測センターも水質検査でシアン化合物が検出されなかったと説明した。しかしグリーンピースが調べたところ、魚が大量死した川の水から1リットル当たり0・01〜0・02ミリグラムのシアン化合物が検出された。
ここ数日、共産党系メディアでは軍事パレードを賛美する報道があふれている。「常歩行進で200メートル、速歩行進で1000メートルも動きはブレない。装備行進の時間の誤差は0・3秒以内、距離の誤差は10ミリ以内だ」。共産党政府はさまざまなデータを使い、嬉々としてその厳格さと正確さをアピールする。しかし、彼らは大惨事の死者数や魚が大量死した原因をはっきり把握できず、山東省の化学工場の爆発も防ぐことはできなかった。
強権を賛美する一方で、生命を軽視するのが最近の中国社会の特徴だが、これは1949年以来の中国の特徴でもある。「ファシズム」の定義を調べたとき、私は驚くべき発見をした。ファシズムの理論的根拠は「人種主義」、「国家至上主義」、「指導者権威主義」、「生存圏主義」にある。これはまさに今の中国ではないか? あるネットユーザーはこう皮肉っている。「今回の反ファシズム記念行事を通じて、国民のファシズムに対する理解はいっそう深まったよ」
<次ページに中国語原文>
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