Picture Power

【写真特集】霧の中にたたずむ気候変動の罪なき犠牲者

THE DAY MAY BREAK

Photographs by NICK BRANDT

2021年11月09日(火)14時30分

ppclimate06.jpg

「パトリックとフラミンゴたち」(ジンバブエ、2020)鳥たちは送電線に引っ掛かったり、汚染水を飲んだりしてジンバブエのクインバシリ野鳥公園に保護された。パトリックはハラレ近くのチベロ湖で漁師をしていたが、水位の低下で漁獲量が激減したため漁業を諦めた


ppclimate07.jpg

「ヘレンとスカイ」(ジンバブエ、2020)生息地を追われたキリンのスカイ。アフリカ南部のキリンの個体数は3万頭以下にまで減ってしまった。ハラレ近郊に住むヘレンは夫を亡くしており、2019年の干ばつで農作物が全滅し、飼っていたニワトリも病気でほぼ全羽が死んだ。今は極度の貧困状態にある


ppclimate08.jpg

「ジェームズとファトゥ」(ケニア、2020)キタシロサイのファトゥは、オルペジェタ自然保護区に保護された生存する2頭のうちの1頭で冒頭写真のナジンの娘だ。ケニア中部ムランガのジェームズはかつては広い農地を持つ農家だったが干ばつで2015年に破産。ケニアでは多くの元農家が失業して肉体労働に職を求めている


ppclimate09.jpg

「ファトゥマ、アリとブパ」(ケニア、2020)ゾウのブパは8歳頃だった1989年に他のゾウと一緒に保護された。両親はジンバブエの個体管理のための殺処分プロジェクトで殺された。アリとファトゥマの夫妻は牧畜を営んでいたが2010年以降の干ばつにより全てのヤギとウシが死に、食べ物にも事欠く状態に

Photographs by © Nick Brandt, courtesy of Fahey/Klein Gallery, Los Angeles

撮影:ニック・ブラント
ロンドン生まれ。美術大学で映画と絵画を学び、2001年から東アフリカで野生動物をテーマに作品を制作。10年、ビッグ・ライフ基金を設立し、アフリカの生態系保全のための活動を続けている。著作に写真集『This Empty World』(2019)、『Inherit The Dust』(2016)などがある。本作は最新写真集『The Day May Break』(独ハッチェ・カンツ社)からの抜粋で、同名の展覧会がロンドン、ドバイ、オスロのギャラリーで開催中

<撮影風景>

ppclimate-shooting.jpg

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

25%自動車関税、3日発効 部品は5月3日までに発

ビジネス

アマゾン、TikTok米事業買収に名乗り 5日の禁

ワールド

イスラエル、ガザ軍事作戦拡大 国連診療所などへの攻

ワールド

マスク氏、近く政権離脱か トランプ氏が側近に明かす
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台になった遺跡で、映画そっくりの「聖杯」が発掘される
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    博士課程の奨学金受給者の約4割が留学生、問題は日…
  • 9
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 10
    トランプ政権でついに「内ゲバ」が始まる...シグナル…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 7
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 8
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 9
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 10
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story