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同性愛者からの仕事の依頼を断るのは「表現の自由」なのか?(パックン)
というのも、女性が起訴時の資料に「依頼人」として名前と連絡先を記載していた男性は実在する人物だが、米メディアが直接本人に問い合わせたところ、15年も前から結婚している異性愛者であって、原告の女性に仕事を依頼したことはないという。
しかも、(架空の?)依頼があったとする2017年の段階で女性はまだ結婚するカップル向けのウェブサイト作成という仕事を始めてもいなかったという。つまり、実害をひとつも被っていないのに、無理やりにでも裁判を起こしたかったようだ。まあ、保守派が多数を占め主導権を握っている最高裁判所も無理やりにでもこの裁判を取り上げたかったようだから、渡りに船だね。
原告と保守派の希望は叶ったかもしれないが、この判決は将来的にとても醜い展開にもつながり得ると、僕は考えている。
まず、たとえ同性愛者が市場経済で異性愛者と平等な対応を受ける権利を保障する法律があっても、表現の自由が優先される。これが判決の趣旨だが、「表現者」の定義は実に広い。判決文では「全種類のアーティスト、スピーチライターやその他の表現に関わるサービスを提供する業種の人々」または「無数のクリエイティブなプロフェッショナル」と、ものすごく広義に設定している。
同性カップルは「ないない」づくしに
この超包括的な定義であれば、コーディネーター、印刷業者、新聞記者、司会者など、言葉を使う仕事はもちろんのこと、写真家、ミュージシャン、(クリエイティブな)パティスリー、花屋、シェフ、美容師なども含まれる。これらの業種の方々は自分の意見や信仰に反する表現になると考えたら、特定の性的指向(または性別、人種など)を持つ人に対する、あらゆるサービスの提供を拒否してもいいことになる。
だから、今回の原告と同じ信仰の人が多い町では、例え同性愛者のカップルが結婚したくても、ブライダルコーディネーターも見つからない。ウェブサイトも招待状も作ってもらえない。会場を借りることができても、花など飾ってもらえないし、「○○家披露宴」などの看板も立ててもらえない。指輪の特注はできないし、規格品を購入しても、内側に名前などの刻印も入れてもらえない。披露宴を開けても、髪のセットをしてもらえない。お食事もケーキも作ってもらえない。司会進行もいない。式の翌日、新聞に結婚の報告も載らない。「ないない」づくしの結婚になり得る。
昔、これらのサービス「全部入り」で結婚式・披露宴を挙げさせてもらった身としては......いいなぁ。あとは親戚のおじさんによる「三つの袋」のご挨拶だけ禁じていただければ......と思いつつ、オプションてんこ盛りで「やりすぎる」選択肢も含めて、同性愛者の平等な権利は守りたい。
世の中には、同性婚に反対する業者ならサービスの提供を拒否するのもしょうがないだろう、と思う方もいらっしゃるかもしれない。そう思う最高裁判事もいるでしょう。それでは、お待たせしました! その考え方を検証するため、冒頭の話に戻ろう。
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