コラム

久しぶりのトランプ選挙「醜会」で分かったこと

2020年06月24日(水)17時00分

・演説で、新型コロナに殺された国民にも、警察に殺された黒人にも全く触れない!
・たとえ話で、夫が出張中の深夜、女性の部屋の窓を割る侵入者を、さすがに黒人には設定しないで......メキシコ人にする!
・ついでに、カンフーにかけて、新型コロナを「カンフル」と呼び中国への敵対心を煽る!
・感染者数の増加を受け、大統領のおすすめ対策として「検査をやめること!」を発表する!

冗談ではない。本当にこんな演説内容だった。ほかにも、数々の嘘と個人攻撃と、現実からほど遠い自慢話三昧だった。つまり、非常時にも通常のトランプ集会だった。

しかし、発言はさておき、行動をみれば、トランプ陣営は「オクラホマのみんなと一緒になってコロナと戦う」という姿勢を見せたことは間違いない。事前に現場入りして準備に取り掛かっていたスタッフの8人 がコロナ検査を受けたら陽性反応だった。身をもって「州間移動」の危険性を証明したうえ、文字通り、地元の人と共に闘病することになった。

ただし、一つ安心できる要素はあった。コロナ危機中ゆえ、さすがに会場となった1万9000人収容のスタジアムを満員にせず、3分の2の席は空けておいた。もとい。「空けた」ではなく、空いちゃったのだ。トランプ側は事前に「100万人が応募した!」と豪語し、スタジアムに駆け付けても入りきれない4万人を見込み、近くの屋外特設会場での演説も予定していた。しかし、当日に来場した人は全員がスタジアムの中にすっぽり入ってしまった。特設ステージも急遽撤去。

つまり、イベントの空席はソーシャルディスタンス戦略、感染予防で距離を取ったわけではなさそう。共和党の要害のオクラホマ州でも、人々はトランプから離れ始めているのだ。

まあ、これも妄想かもしれないけど。

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プロフィール

パックン(パトリック・ハーラン)

1970年11月14日生まれ。コロラド州出身。ハーバード大学を卒業したあと来日。1997年、吉田眞とパックンマックンを結成。日米コンビならではのネタで人気を博し、その後、情報番組「ジャスト」、「英語でしゃべらナイト」(NHK)で一躍有名に。「世界番付」(日本テレビ)、「未来世紀ジパング」(テレビ東京)などにレギュラー出演。教育、情報番組などに出演中。2012年から東京工業大学非常勤講師に就任し「コミュニケーションと国際関係」を教えている。その講義をまとめた『ツカむ!話術』(角川新書)のほか、著書多数。近著に『パックン式 お金の育て方』(朝日新聞出版)。

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