仲裁裁判所の判断が中国を追い詰める
そして最後に、南シナ海における人工島建設や軍事拠点化を加速することである。中国は、米国と軍事衝突さえしなければ、その範囲内で自国の権益を拡大できると考えている。9月のG20までは、軍事的な活動を控え、日本や欧米諸国からの非難を避けようとするかも知れないが、中国が南シナ海に対する権利を諦めることはない。
【参考記事】米爆撃機が中国の人工島上空を飛んだことの意味
結局、短期的には、南シナ海における軍事的緊張が高まる可能性が高い。しかし、長期的には、「誰でも軍事力等の暴力的手段を用いて、自分の好きな状況を作ることができる」といった国際社会の出現は防がなければならない。そのために、先進諸国には、中国を軍事力で抑え込むばかりでなく、共通の価値観を探して同じゲームをプレイできるルールを作る責任がある。
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