サウジ原油施設攻撃で世界は変わる
つまり、経済的なダメージを与えるだけで十分だ、ということになれば、あらゆるところにテロが可能になるのだ。これまでは、敵国の群衆に無差別テロを行うことであったが、それは、国際的な非難が最も大きいので、テロの持続性がむつかしくなり、また、米国だけへの攻撃であっても、米国とそれほど親密でなくても、国際的に正義となり、全世界的な連携で、テロ撲滅の動きが生じる。しかし、今後は特定国の経済的利益だけを損なえば、世界がアンチテロでまとまる力が弱くなるのだ。
すなわち、今回のドローンによる原油施設攻撃により、テロの持続性とコストパフォーマンスが大幅に高まったのであり、それが世界中のテロリストに明示されたのであり、今後、富める国、地域、グループは攻撃を簡単に受けるようになり、意外な、最も望ましくない形で広い意味での貧富の差の、覇権の差の拡大への攻撃がなされることになるのだ。
歴史は動いたのだ。
※9月24日号(9月18日発売)は、「日本と韓国 悪いのはどちらか」特集。終わりなき争いを続ける日本と韓国――。泥沼の関係に陥った本当の原因とその「出口」を考える。
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