経済政策論争の退歩
理論自体は、愚かであろうが愚かでなかろうが、学者の世界の流行に乗るかどうか、時流に乗るかどうか、という問題だから、実害はない。学者には遊ばせておけばよいのである。
問題なのは政治である。政治がこれに飛びついたのが最悪なのだ。
偉大なサマーズの長期停滞論から、公共事業を中心とした財政出動の推奨と、インフレを起こす最終手段としての財政赤字(シムズは日本については消費税引き上げをインフレが2%になるまでしないことを提案している、いわばインフレーションターゲット減税だ)の二つを、政治が都合よく利用しようとしている。
サマーズもシムズも浜田氏も政治利用されているだけなのだ。
政治的には、金融政策はしゃぶりつくした。もう使いすぎて、シャブ中ならぬ金融緩和中毒に市場と経済はなってしまったから、次は、財政をしゃぶり尽くす、それだけのことなのだ。
学者たちがしゃぶりつくされるのは自業自得だが、経済自体、社会が政治にしゃぶられ、中毒になり、安楽死へ向かうのは放っては置けない。
なんとしても全力で止めなくてはならない。
これからのシリーズで、これらの誤りを議論し、経済の現状、あるべき政策、経済のために真に必要な政策について議論していきたい。
*この記事は「小幡績PhDの行動ファイナンス投資日記」からの転載です
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