アベノミクス論争は無駄である
黒田日銀をもたらしたのは安倍政権だから、任命による貢献があり、これもアベノミクス効果に入れるとすると、2、3、4による株価上昇はアベノミクス効果と言ってよい。
一方、これによりリスクが高まったという面もある。
いわば、今は株価が上がっているから良いが、2016年初頭から日本株は下落が続いており、これは、アベノミクスにより株価が上昇した分の効果が剥落しているものである。世界的な株価下落の流れを受けてはいるわけだが、先進国では、日本だけが突出して暴落している。その理由は、2015年の日本株の上昇がバブルであったからであると思われる。これはGPIFの日本株傾斜という事実がきっかけになっていると思われ、政策的なバブルであったと言えるから、暴落も政策の結果と言えるだろう。また、上昇局面では4つの要因のうち3つがアベノミクスによるものであったが、その根本は1に挙げた世界的な株価上昇の流れにあった。アベノミクスの効果は、これを加速させたもの、この流れに乗ったもの、いわばレバレッジをかけたものであったから、それが逆回転して、世界的なリスクオフのショックに日本だけが飛びぬけて脆弱であることも、政策レバレッジの影響であるだろう。
これは、今後、さらにリスクが大きくなる、ダウンサイドシナリオが実現する可能性もある。過度な金融緩和からの脱出が不可能に見える中で、それが必然だとすると、短期的な株価上昇は、長期的なバブル崩壊、金融市場崩壊という大きな致命的なリスクを膨らませているとも言える。ただし、この点は、リスクがあることは事実であるが、その可能性が高いと見るか、低いと見るかは、意見が分かれるところであろう。
アベノミクスの今後 リスク
論点は3つあるだろう。
1)日本国債市場リスク
2)財政破綻リスク
3)株式市場リスク
まず、1は逃れられないリスクだ。
ただ、これはアベノミクスではない、日銀のせいだ、と政治から切り離すことは可能である。一見、無責任であるが、結果的には、国債市場を安定化するためには、政治から切り離したほうが便利だ。そのときの政権がどのような政治的枠組みであろうが、淡々と、日銀の執行部を入れ替えるなり、なんなりして、過去の日銀の金融政策を一旦葬り去って、新しい枠組みで救済するしかない。それが出来る分、手段はあると考える。
ただし、国債市場の混乱は必ず起こるので、ダウンサイドシナリオではなく、必然シナリオであり、そのタイミングがダウンサイドに触れるか、軟着陸に近い形になりうるかに影響するだろう。
なぜ1人10万円で揉めているのか 2021.12.14
大暴落の足音 2021.12.02
いま必要な政策は何もしないこと 2021.11.11
経済政策は一切いらない 2021.11.10
矢野財務次官が日本を救った 2021.11.01
今、本当に必要な経済政策を提案する 2021.10.18
すべての経済政策が間違っている 2021.10.14
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員
-
経験1年必須/ITコンサル/SE/Sierからコンサルタントへ/外資系プロジェクト有/残業少
株式会社ノースサンド
- 東京都
- 年収500万円~1,600万円
- 正社員
-
経験者優遇!Recruitment Consultant「外資系製薬・メディカルデバイス領域専任」
株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント
- 東京都
- 年収550万円~1,500万円
- 正社員
-
「外資系クライアント支払コーディネーター」英語力を活かす!“サポートする”やりがい+働きやすい職場環境
RSM汐留パートナーズ株式会社
- 東京都
- 年収350万円~500万円
- 正社員