最新記事
シリーズ日本再発見

噂のロボットレストランは家族連れでもイケるらしい

2016年11月18日(金)14時25分
中村美鈴

 ひとことでは表現し難い、何でもありの狂気の世界。ごった煮感は否めず、トリップアドバイザーのレビューに「安っぽい」との辛口批評が散見されるのも分かる。

 しかし、ダンスも演出も中途半端な仕上がりではなく、ショーとして十分に楽しめる。客席との距離が近いために臨場感もあるし、次から次へと予想外の展開に驚愕する面白さもある。

japan161118-4.jpg

和太鼓の競演。観客の目の前の狭い空間で大きな山車を何台も移動させるため、毎日のリハーサルは欠かせないという

 ショーの休憩中にはビールやカップ酒、ポップコーンなどが購入可能。最初からノリの良い外国人客の熱気は、アルコールも手伝って高まるばかり。最後のロボットパレードでは、みんなでペンライトを振りながら熱狂した。

「ここでしか見ることができない唯一無二のエンターテインメント」を目指していると、小泉は言う。

「ライオンキングでは体験できないショー」

 その狙いは客にも伝わっているようだ。イギリス人トラベルライターのカースティ・ペリングは自身のサイト「ファミリー・アドベンチャー・プロジェクト」にこう書いている。「善と悪の物語なら『ウイケッド』や『ライオンキング』といった、もっと洗練されたミュージカルを同じぐらいの料金で見ることもできる。だがそうした舞台では、ここ(ロボットレストラン)で見たようなショーは体験できないはずだ」

 ペリングは夫と子供3人と一緒に世界中を旅しており、ロボットレストランも家族で訪れた。

【参考記事】子連れでも楽しい、東京で一番の夜景展望台へ!

 大音量とまぶしい照明は子供には刺激が強すぎるのではないかと思ったが、意外にも外国人客のうち、家族連れが2割を占めるという。家族連れ客のために、女性ダンサーのビキニをホットパンツに変えるなど、開店当初より露出は控え目になった。

 子供料金は設定されていないが、保護者の膝の上に座れるぐらいであれば無料。シーズンによってハロウィンやクリスマスをテーマにした演目が楽しめる時期もあり、子供にはうれしい演出だ。

 料金といえば、口コミサイトで8000円が「高すぎる」という声が少なくないが、同時に「それだけの価値はあった」との感想も多い。事実、週末はだいたい満席、平日も7~8割は席が埋まるという。都内のホテルに置かれているパンフレット持参、あるいはネットでの予約・支払いによる割引制度もある。

 ショーの間、スマートフォンで動画を撮りながら終始ご満悦だった隣のアメリカ人観光客は最後に、「来た甲斐があった」と感想を残していった。「誰も人生最高のショーを期待してここに来ているわけではない。ただ90分の楽しみを求めて来ているのだから」

 外国人だけに楽しませておくのはもったいない。日本人にも、一夜ぐらいはこの意味不明でぶっ飛んだ世界をぜひ体験してほしい。


ロボットレストラン
住所:東京都新宿区歌舞伎町1-7-1 新宿ロボットビルB2F
営業時間:16~23時
入場料:8000円(飲食代別)
TEL:03-3200-5500
http://www.shinjuku-robot.com/


japan_banner500-5.jpg

japana_banner500-4.jpg

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

シティ、関税懸念で米国株「中立」に下げ 日本株の評

ビジネス

米ゴールドマン、第1四半期は15%増益 株式トレー

ビジネス

アップル、第1四半期の世界スマホ市場シェア首位 日

ビジネス

米エヌビディア、AIインフラの国内構築へ 4年間で
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 4
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 7
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 8
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 9
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 10
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中