噂のロボットレストランは家族連れでもイケるらしい
撮影:H, Kawasaki(すべて)
<新宿・歌舞伎町のロボットレストランは、「イカれてる」「奇抜」「度肝を抜かれた」と外国人の心をわしづかみにする唯一無二のエンターテインメントショー。意外にも、家族連れが2割を占めるという> (上写真:神輿〔みこし〕の登場で一気に「祭りだ、ワッショイ!」の雰囲気に)
【シリーズ】家族で楽しむTOKYOナイトスポット
新宿・歌舞伎町に、外国人観光客が夜な夜な集まって歓喜する人気スポットがある。ネオン街のど真ん中に鎮座する巨大女子ロボット「ロボ子」が出迎えてくれる、ロボットレストランだ。
店名はレストランだが、客の目当ては食事ではない。店の目玉は、ロボットと(主に女性の)ダンサーたちが繰り広げる"想像を絶する"エンターテインメントショーだ。ステージは3メートル×15メートルほどで決して広くはないが、その横長のステージを前後から挟んで向かい合うようにして、ひな壇の客席が3列ずつ計180席並ぶ。
取材に行った日は土曜日の夜ということもあって満席だった。ただし周りはすべて外国人。
暗転して最初に登場したのは、歌舞伎の演目「連獅子」を思わせるメークとかつら姿の女性たち。電飾がまばゆい山車(だし)に乗って、獅子の毛をぐるぐると振り回しながら和太鼓をたたいたり、エレキギターで和風ロックをかき鳴らしたり......。
さらに、寿司やだるま型の山車が登場したり忍者がチャンバラを始めたりと、「ザ・ジャパン」を一気に詰め込んだパフォーマンスに、外国人の心はわしづかみにされる。
ロボットレストランの営業・広報部統括部長の小泉貴志によれば、客の8~9割が外国人で、そのうち8割が欧米人だという。
2012年に開店した当初のターゲット層は日本人サラリーマンだった。ただしセクシーな女性ダンサーが踊るだけでは芸がない。「中高年男性はガンダム世代だからロボットと融合させよう」と、店のコンセプトが決まったと、小泉は言う。
ところが蓋を開けてみると、日本人より外国人観光客に受けた。歌手のケイティ・ペリーやアリアナ・グランデ、俳優ガイ・ピアースなど来日中の著名人も来店。BBCやCNN(人気シェフ、アンソニー・ボーデインの番組「知られざる場所」)で紹介されたほか、口コミサイトやSNSを中心に海外での認知度が拡大していった。
取材時に隣に座っていたアメリカ人男性も、旅番組で紹介されていたのを見て興味がわき、口コミサイトのトリップアドバイザーを確認して予約したらしい。
ごった煮感は否めないが、完成度が高く臨場感も抜群
確かに、トリップアドバイザーでの評判は上々だ。「(いい意味で)イカれてる」「奇抜」「度肝を抜かれた」「必見」といったレビューが目立つ。ツイッターでは「目の前で何が起きているのか分からない」と、リアルタイムで感想をツイートする人も。
【参考記事】日本に観光に来た外国人がどこで何をしているか、ビッグデータが明かします
ショーは3回の休憩をはさんで約90分間続く。恐竜ロボットが出てきて口から火を吐いたり、空飛ぶゴリラや巨大な着ぐるみパンダ、近未来型戦車などが善と悪の戦いを繰り広げたかと思えば、LEDスーツを着たダンサーたちがアップテンポの曲に乗ってキレのあるダンスを始めたりする。