「冬のヨモギ」はなぜ乳製品と相性がよいのか?...日本の雑草専門家に聞く「おいしい草の食べ方」
ヨモギの新芽はいつ手に入る?
ヨモギの新芽が手に入るのは基本的には春です。以降、順調に生育していけば初夏には徐々に草丈が伸びて花芽が立ち上がり、秋には立派な花を咲かせます。この頃には葉も小さくなり、茎も硬くなるため、通常であれば食用にするのは難しくなります。
しかし人里近い場所に多く生息するヨモギは、人の手によって定期的に刈り込まれることが多々あります。
こうしたヨモギは刈り取られた位置からまた新しい葉を展開するため、このようなヨモギに出合えれば季節を問わず若い葉を入手することができます。ちなみにこの刈り込まれた後に生えてきた新しい葉っぱのことを私は《どこんじょヨモギ》と呼んでいます。
香りの違いを生かした調理を
草刈りのおかげもあって、ある意味、通年で手に入るヨモギの若葉ですが、夏から初冬にかけて出現するどこんじょヨモギは、春の若葉と比べてなぜかとても香りが強く、単体でそのまま食べてもあまりおいしくありません。
一度天ぷらにして食べてみたことがあるのですが、キク科独特の香りが強く、春のそれとはまるで別物のようでした。揚げる際に使用した油にもすぐに香りが移ってしまうほどです。
ですが調理次第では、この強い香りもおいしく生かすことができます。この時期のヨモギは牛乳や生クリームなど乳製品との相性が良く、これらの脂肪分がどこんじょヨモギの強い香りをマイルドに包み込んでくれます。
これからご紹介するレシピは以前、雑草食をテーマに開催したイベントの中でも大変好評でしたので、ぜひ試していただきたい逸品です。
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