コロナから解放された日本社会の、新たな「新しい生活様式」
また、コンビニなどの小売店や飲食店、商業施設などでも、その多くでこうしたマスク着用ルールが撤廃されている。多くの日本人にとってマスクとともにある生活は、コロナ禍の約3年の間に染み付いた習慣のようなものだ。急激に変化することはないかもしれないが、いずれは人々の意識が変わり、日本でも大半の人がコロナ前と変わらず「ノーマスク」で過ごすようになるのだろう。
喫煙室の人数制限「解除」後も定着する新マナー
行動が大きく制限されたコロナ禍の最中には閑散としていた繁華街も、今では賑わいが戻りつつある。
六本木ヒルズなどを運営する森ビルのスポークスパーソンの渡邉茂一氏によると、2022年の12月24日には六本木ヒルズの来街者数が、2003年に開業して以来、最多となる1日33万人を記録したという。
さらに渡邉氏は、「私たちが管理運営する六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズでも、現在はマスクの着用などお客様の判断に委ねていますし、エレベーターなどの施設の人数制限もコロナ前と同様に戻っています」と話す。
実際にそれぞれの施設では、喫煙室などの人数制限が現在は解除されている。また、他の商業施設や駅構内、街中にある喫煙所などでは、コロナ禍においては厳しい人数制限が実施され、長い列ができることも少なくなかった。それが現在では、多くの商業施設の喫煙室や街中の喫煙所に加え、最近ではJRの駅構内や新幹線内の喫煙所でも人数制限が撤廃され、以前のような状況は随分と解消されている。
最近も人気お笑い芸人が、東海道新幹線の喫煙室の人数制限撤廃をツイートして話題となった。愛煙家にとっては嬉しい状況となっている一方で、コロナ禍に新たな習慣となったソーシャルディスタンスや会話を控えめにするといった新しいマナーもまた、多くの喫煙所などで定着しているようだ。
「コロナ禍と異なるのは、お客様ご自身がソーシャルディスタンスを心がけ、自然と譲り合ってそれぞれの施設を利用されていることでしょうか。新型コロナウイルスに関わらず、そうした感染症への対策を、皆様が自然な形で上手に実践されているように思います」(渡邉氏)
仲間や家族とワイワイ楽しむ日常も
さらには、新型コロナウイルスで大きな打撃を受けた外食産業にも、ようやく大きな変化が見られるようになった。
2022年12月には、一般社団法人である日本フードサービス協会と全国生活衛生同業組合中央会が定める「外食業の事業継続のためのガイドライン」が1年ぶりに改正され、飲食店における制限が大幅に緩和。入店制限や相席禁止などが撤廃され、大皿や鍋での料理の提供も可能となった。