「恋人」アメリカを繋ぎ止めたいイスラエル──パレスチナで暴走する意図とは
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イスラエルの空爆で炎上するガザのビル(2021年5月17日) Ibraheem Abu Mustafa-REUTERS
・アメリカ政府は基本的にイスラエルに甘いが、その行動によって足を引っ張られることもある。
・そのため、アメリカはしばしばイスラエルにブレーキをかけようとしてきた。
・しかし、それはかえってイスラエルに「見放される」不安を呼び、アメリカに手を離させないためにあえて暴走することが一つの外交手段として定着している。
パレスチナで暴走するイスラエルは、危機的な状況をあえて作り出してアメリカを動かそうとする傾向があり、この点でアメリカの同盟国でありながらも北朝鮮と大差ない行動パターンが目立つ。
静かなるアメリカ
パレスチナでの衝突は5月15日までに145人以上の犠牲者を出しており、近年で最悪のレベルに近づいている。イスラエル軍は空爆の他、ガザ地区に地上部隊まで派遣している。
衝突の発端はイスラエルの裁判所が4月、東エルサレム周辺に入植したユダヤ人の権利を認め、居住していたパレスチナ人たちに退去を命じる判決を下したことだった。東エルサレム周辺は国連決議でパレスチナ人のものと定められているが、イスラエルによって実効支配されている。
イスラエルによる力ずくの支配を既成事実として追認する不公正な判決はパレスチナ人の不満に火をつけ、双方の衝突が激化した。さらにパレスチナ人のイスラーム過激派ハマースがイスラエルに2000発以上のロケット攻撃を行なうなど、エスカレートしてきたのである。
こうした事態に世界各国から批判や懸念が出るなか、イスラエルの同盟国アメリカだけは静かだ。
バイデン大統領は12日、「衝突が遅かれ早かれ終息すると予測しており、それを期待する」と述べた一方、「数千のロケットが領域に飛んでくるならイスラエルには自衛の権利がある」とイスラエルの行動を容認した。アメリカの及び腰が災いして、国連安保理では一致した見解さえ出せていない。
大目にみられてきたイスラエル
基本的にアメリカはイスラエルに相当甘い。
イスラエルは1948年に独立したが、独立そのものがアメリカの肩入れによるものだった。当時すでにユダヤ人とパレスチナ人の土地争いは激化していたため、土地を分割してそれぞれに国家建設を認めることが国連で決議されたが、この際に人口が圧倒的に少ないユダヤ人に土地の56%を割り当てるという不公平な案が通ったのは、アメリカが強硬に推したからだった。
これは当時のトルーマン大統領が1948年の大統領選挙で、アメリカ国内で大きな影響力をもつユダヤ人にアピールしたかったからともいわれる。いわばアメリカはイスラエルの生みの親なのであり、それ以来アメリカはイスラエルを一貫して支持・支援してきた。
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