円安批判の肥大化と黒田総裁の発言の意味
円安のプラス効果が大きいという黒田総裁の認識は変わっていないが、最近の大幅な為替変動が企業行動の不確実性を高める可能性に言及した。円安批判に対して丁寧に対応することで、メディアなどからの批判を和らげる政治的な対応を行った、という意味合いが大きい発言のようにみえる。
極論に惑わされず、冷静に考えることが肝要
黒田総裁のトーンダウンは、日本銀行や政府の政策転換を意味するだろうか? 日銀が、円安に意図的に歯止めをかけることは、中途半端に金融緩和政策を止めることとほぼ同じである。金融緩和によって促されている円安は、2%インフレに安定的領域に押し上げる最後の一押しになる可能性がある。この追い風を、日本銀行は出来る限り利用しようとしているようにみえる。
このため、4月末に行われる日銀政策決定会合において、先の黒田総裁の発言が反映され、短期的な為替変動の悪影響が懸念要因の一つとして指摘されるかもしれない。ただ、現行の金融政策の政策変更などに至る可能性は低いと思われる。とすれば、年央にかけてドル円は130円台で推移しても不思議ではないかもしれない。
なお、肥大化しつつある円安批判の中には、「円安に歯止めがかからなくなる」という極端な議論も散見され始めた。ただ、金融緩和や円安が永遠続くわけではない。2%インフレの政府と日銀の共同目標が十分達成される経済状況になれば金融緩和は不要になるので、円安も止まるだろう。極論に惑わされず、冷静にドル円市場の動きを考えることが肝要だと思われる。
(本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません)
トランプ政権の外圧で「欧州経済は回復」、日本経済の停滞は続く 2025.02.19
トランプ政権の関税引き上げが日本株の脅威になる理由(ただし、間接的に) 2025.02.06
中国経済の失速・デフレ化が世界金融市場の「無視できないリスク」になる 2025.01.08
【2025年経済展望】期待しづらい中国、外部環境に脆弱な日本、2%成長が続く米国 2024.12.27
日本から学ばず、デフレ・経済停滞から抜け出せなそうな中国 2024.12.12
日本はトランプ政権に「身構える」よりも「見習う」べき 2024.11.28
トランプ再登板・関税引き上げで米経済はどうなるか...「日本経済には追い風」と言える理由 2024.11.12
-
「セールス」外資ならではの働きやすさ/ホテル業界向けの業務管理システム提供/リモート可/2018年日本支社設立/32カ国・地域に7 000名以上のグローバルカンパニー
Shiji Japan株式会社
- 東京都
- 年収700万円~1,100万円
- 正社員
-
経理マネージャー 外資専門商社「自動車、エレクトロニクス、アパレル等」
外資専門商社
- 東京都
- 年収900万円~1,200万円
- 正社員
-
システムエンジニア/外資系企業がルーツのSIer
HOUSEI株式会社
- 東京都
- 年収376万円~450万円
- 正社員
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員