アメリカの銃をめぐるパラノイア的展開
銃乱射事件が再び起きる中、共和党候補は主張を繰り返す
さて、この立てこもりが日々続く中、共和党の候補たちはびくともしなかった。それどころか有力候補のドナルド・トランプ氏は2015年12月2日に起きたカリフォルニア州サンバーナディーノのイスラム系移民夫婦による銃乱射事件を「ムスリム・テロ」と断じ、その現場で市民が全員銃を携行していたなら惨劇には至らなかっただろうと強気の演説を日々、繰り返した。
トランプ氏が銃に関して聴衆を煽ると決まって大きな歓声が起きた。聴衆の中に数多くの退役軍人もいた。
トランプ氏は当初アイオワ州の予備選挙でテッド・クルーズ候補に惜敗したが、その後ニュー・ハンプシャー州とサウスカロライナ州で圧勝。執筆時点で快進撃を続けている。
その裏でまたミシガン州の片田舎、カラマズー市で銃乱射事件が起きた。白人男性が容疑者で、無差別に発砲。子供を含む一般市民が少なくとも6人死亡した。
だがおそらく共和党候補は、「市民が正しく銃を使えれば犯罪抑止になる」というレトリックをトーン・ダウンさせず、反対に民主党のヒラリー・クリントン候補とバーニー・サンダース候補は火がついたように銃規制を主張することだろう。
アメリカにはまったく相容れない二つの日常がある。ジェブ・ブッシュ元知事は銃の写真のツィートを今もって削除していない。
<ソース>
・銃規制めぐる対立激化 オバマ大統領、涙の訴え 「感情的で上から目線の説教」と反発も(産経新聞)
・Obama's gun wishes gruffly received by AZ Senate panel
・Armed protesters refuse to leave federal building in Oregon
・長引くオレゴン武装勢力占拠 意味不明の要求を展開 (WEDGE Infinity)
・Oregon militia gets gag gifts with sex toys
・米ミシガン州で銃撃事件、少なくとも6人死亡 (読売新聞)