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スペイン政権交代でカタルーニャ独立運動に新たな展開?
マジョルカ島出身のラップ歌手バルトニックは、YouTubeにアップした歌詞がテロ賞賛、テロ犠牲者恥辱、スペイン国王侮辱の罪にあたるとして3年半の禁固刑を言い渡された。EUの本部があるベルギーの首都ブリュッセルに亡命し、今週現地の裁判所に出頭する予定だ。政府を批判するコメディアンたちのツイッターにも、当局から度々圧力がかかる。
イギリスの「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット」による「民主主義指数」2017年では、スペインは前年からランクダウンし、先進国が顔を並べる「完全な民主主義」グループの最下位になった。
今回の汚職事件で有罪判決が下された4日後には、最近のスペインに対するマイナスイメージを払拭しようとしたのか、外務省が驚きの「賞」の創設を発表した。スペインのイメージアップに最も貢献した記事を書いた在スペイン海外ジャーナリストに1万2000ユーロ(約150万円)の賞金を与える「ビアナ宮殿ジャーナリズム賞」だ。
ラホイが述べた「良くなったスペイン」は、ジャーナリストを金で買うというのだ。対象となる記者たちは、この「忖度ジャーナリスト賞」に対し、ツイッターで「賞をもらった日が編集長から解雇される日になるだろう」などとジョークで一蹴している。
社会労働党は闘牛士が置き去りにした剣を...
一方、約7年ぶりに政権を奪回した社会労働党は、トラが率いるカタルーニャ新州政府の閣僚名簿を正式に承認し、6月2日には8カ月ぶりにカタルーニャに自治権が戻った。とはいえ、トラは自治権回復だけではなく、カタルーニャ「共和国」建設を明確に表明している。
カタルーニャ独立派政党は、国民党を政権から引きずり下ろすために社会労働党に手を貸したが、それは単に「敵の敵」だったから。カタルーニャ新州政府は、社会労働党が自治剥奪に賛成した過去は忘れない。
返り討ちにあった闘牛士は、牛を仕留めることなく闘牛場を後にした。社会労働党は闘牛士が置き去りにした剣を拾い上げ、一旦鞘に納めた。
彼らはカタルーニャに歩み寄るのだろうか。壊れた信頼関係を修復できるだろうか。それとも再び剣を抜くのだろうか。少数与党のサンチェスが政権運営に行き詰まり、早々に退場してカオスが生まれるのだろうか。
いずれにせよ、カタルーニャ独立運動が新たな局面を迎えようとしている。
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