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緊迫カタルーニャのツイッター大喜利「プッチダモンはどこだ」が面白い
ツイッターに溢れる冗談と「お面作戦」の現実味
そんな中、ツイッター上ではのんきな冗談も流れている。盛り上がっているのは、#OnÉsPuigdemont「プッチダモンはどこだ」というハッシュタグだ。
#OnÉsPuigdemont doncs a mi m'han dit que l'han vist a Liverpool... pic.twitter.com/DZjxLL1qnu
— Taverna Esteve (@EsteveTaverna) 2018年1月19日
「リバープールで見たって聞いたぞ」というツイート(上)には、ビートルズのメンバー4人が映る写真のジョージ・ハリスンの顔がプッチダモンに張り替えられている。カタルーニャ人には珍しいストレートヘアのプッチダモンが絶妙に他のメンバーに溶け込み、地元民の笑いのツボにはまった。
他にも、スーツケースに隠れたり、日本で神輿を担いだり、神出鬼没の「プッチダモン情報」で溢れている。
Sembla que @rogertorrent ha sortit, aquest matí, cap a Brussel•les a visitar @KRLS, sense equipatge. Però a la tornada ha facturat una maleta vermella voluminosa. Curiós. #OnÉsPuigdemont pic.twitter.com/lKgoNW4Dq9
— Martí de Martí (@MartideMarti) 2018年1月24日
#OnEsPuigdemont ? Doncs @KRLS és al Japó, portant un #Omikoshi i fent pinya amb tothom. pic.twitter.com/3tZ0i9blvg
— CDR_Tokyo (@CdrTokyo) 2018年1月26日
政治家をいじるのが好きなカタルーニャ人らしいツイートでは、スペインのマリアノ・ラホイ首相(右)が内務大臣とひそひそ話をしている実際の写真に、
-¿Y si Puigdemont está donde estaban las urnas?
— Victor Balaguer Pla (@BalaguerPla) 2018年1月19日
-Pero es que no sabemos donde estaban las urnas#OnÉsPuigdemont pic.twitter.com/3uduLUceMs
首相:ひょっとして、プッチダモンは投票箱があった所にいるんじゃない?
内務大臣:でも、投票箱がどこにあったか分からないんですよ。
という会話を添えて痛烈に皮肉っている。
ジョークはSNS上に留まらず、車の後部ガラスに貼る「子供が乗っています」というステッカーを「プッチダモンが乗っています」にアレンジしたものも現れた。
しかし、さすがの彼も今回の帰国は難しいだろう。自治権を剥奪されたために、カタルーニャ州政府を守るべきはずのカタルーニャ州警察が今はスペイン政府の直轄下にあるだからだ。
自治権があった10月の住民投票の際は、事実上、州警察がスペイン警察から票を投じる市民を守った。独立宣言のときに、カタルーニャ議事堂を封鎖して議会を守護したのも州警察だった。だが今回の議事堂警備においては、州警察はスペイン警察の指揮下に入っており、以前のような独立した指揮系統は保たれていない。
ただし、プッチダモンがひとたびカタルーニャ議事堂に入ることができれば、カタルーニャ議会の議長は、三権分立の原則により、いずれの所属であっても警察官を議事堂に入れない命令を下すことができる。そうなれば多くのカタルーニャの群衆が州政府を守ろうと議事堂へ向かうことが予想される。
現在、プッチダモンの出現に関係なく信任投票が行われる30日の午後3時にプッチダモンのお面を被って議事堂前に集まろうという「私たちみんながプッチダモン」#TotsSomPuigdemontのツイートが広がっている。
プッチダモン本人がお面を被り、群衆に紛れ込んで議事堂に入り込むか。それとも大喜利ネタのように、スペイン治安部隊のシールド付きのヘルメットと盾のフル装備変装で入るのか。あるいは、ヘリコプターやパラシュートで舞い降りるか。
映画のようなシナリオは考えづらいが、時として真実は小説より奇なり。何が起こるか分からない。
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