コラム
私的映画論 森達也
私的映画論 森達也

三谷幸喜の初映画『ラヂオの時間』は完璧な群像劇だった 隠された毒が深みを生む

<微量な毒やメッセージがあってこそ有効に機能する場合があり、この法則は舞台も映画も変わらない。三谷の監督デビュー作は見事にそれを実現していた

2021.04.16
私的映画論 森達也

蔓延する憎悪と殺戮 パレスチナで突き付けられる「傍観者でいいのか」という問い

<イスラエル・パレスチナ問題──これまでにも多くの日本人監督がこのテーマに向き合ってきたが、『傍観者あるいは偶然のテロリスト』はその系譜の最

2021.04.07
私的映画論 森達也

『ゆきゆきて、神軍』の原一男が、誰にも撮れないドキュメンタリーを発表できる訳

<この作品を地上波で放送することは、当時も今も難しいだろう。ただしそれは、明確なルールに抵触しているからではない。犯罪者を被写体にしてはいけ

2021.03.23
私的映画論 森達也

26歳の僕を圧倒した初ジブリ体験、『風の谷のナウシカ』に見た映画の真骨頂

<観終わってしばらくは席から立てなかった──「火の七日間」はどんな戦争だったのか。腐海や王蟲、巨神兵は何のメタファーか。安易な答えは呈示され

2021.03.04
私的映画論 森達也

女相撲×アナキスト 『菊とギロチン』に見る瀬々敬久の反骨

<時代と国家と良識にあらがい、自由を希求する──瀬々の志を体現する女たちとテロリスト集団の計画は失敗ばかりだが...> 欠点だらけだが嫌いに

2021.02.26
私的映画論 森達也

日本にも憤る市民、米兵の悲しげな表情... 『Little Birds』が伝える加工なきイラク戦争

<客観中立を装うテレビとは根本的に異なる映像と編集。米軍侵攻後も現地にとどまり、リポートを続けたフリージャーナリスト・綿井健陽が本当に伝えた

2021.02.05
私的映画論 森達也

よくしゃべり、よく食べ、互いの体を貪り合う... 欲望全開でも静かな『火口のふたり』の2人

<監督は荒井晴彦。キャストは賢治を演じる柄本佑と直子を演じる瀧内公美の2人だけ。人生はこれからだというのに、2人は何かを諦観したかのように静

2021.01.26
私的映画論 森達也

『太陽を盗んだ男』は今ならば絶対に撮れない、荒唐無稽なエンタメ映画

<バスジャックして皇居に突撃する軍服姿の老人、盗んだプルトニウムで原爆を作る中学教師──。長谷川和彦監督の『太陽を盗んだ男』は、リアリティー

2021.01.13
私的映画論 森達也

塚本晋也が自主製作映画『野火』で描いた、戦争の極限状態と日本兵の人肉食

<原作は大岡昇平。ぼろぼろの軍服でレイテ島をさまよう敗残兵たちは、互いを「貪り食う」ため殺し合う──。脚本・監督・撮影・主演・製作の全てを担

2021.01.03
私的映画論 森達也

騒音おばさんを映画化した『ミセス・ノイズィ』はまるで現代版『羅生門』

<2005年、テレビとネットを中心にクローズアップされた奈良の騒音おばさん。嫌がらせであったのは確かだが、なぜメディアはこの程度の軽犯罪の容

2020.12.10
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