『太陽を盗んだ男』は今ならば絶対に撮れない、荒唐無稽なエンタメ映画
皇居に突撃する理由を、「(陛下に)息子を返していただく」と老人は宣言した。その後の皇居突撃(前半は無許可のゲリラ撮影だ)や原爆を作るというプロットも含めて、今ならば絶対に撮れないシーンが続く。
具体的なプランを持たない中学教師は、世代的には団塊のはずだ。つまり全共闘世代。連合赤軍事件をきっかけに、彼らの国家に対する闘いは終息した。あの時代は何だったのか。同世代のゴジさんの怒りと嘆息の声が聞こえてくる。
この映画を撮った後にゴジさんは、次は連合赤軍をテーマにした映画を撮ると宣言したが、それは今も果たされていない。でもまだ間に合う。観たい。今だからこそ観たい。心の底からそう思う。
『太陽を盗んだ男』(1979年)
監督/長谷川和彦
出演/沢田研二、菅原文太、池上季実子、北村和夫
<2021年1月12日号掲載>

アマゾンに飛びます
2025年4月8日号(4月1日発売)は「引きこもるアメリカ」特集。トランプ外交で見捨てられた欧州。プーチンの全面攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら