梅村みずほ議員のウィシュマさんをめぐる「悪質な責任転嫁」と過去の発言との同型性
ここには今回の発言との類似性、同型性が見て取れるだろう。つまり、被害者や弱者に見える人々、あるいは彼らの支援者の中にこそ、「悪意」や「嘘」を見いだすという構図だ。かわいそうな見た目にだまされてはいけないというわけである。
実のところ、こうした見方はありふれたものだ。
2017年、神奈川県小田原市の職員たちが、「保護なめんな」「もし彼らがわれわれをだまして不正に利益を得ようとするなら『私たちはあえて言う、彼らはクズだ』」などとローマ字や英語で記したジャンパーを着て、生活保護利用者宅の訪問を含む業務に従事していた件は、今も記憶に残る。
梅村氏は「自分が何とかしなければという正義感や善意」という言葉で、外国人の支援者たちを皮肉った。ならば彼女は彼女で、自らの「正義感や善意」で自分の目が曇ってはいないか、問い直していただきたい。
例のジャンパーにはこうも書かれていた。「われわれは『正義』だ」
(編集部注:原稿執筆後の5月18日、日本維新の会は梅村みずほ氏を参院法務委員から更迭すると発表した)
<2023年5月30日号掲載>
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