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最初の作品集は「遺作集」、横尾忠則の精神世界への扉を開いた三島由紀夫の言葉
三島との出会いは、1965年の初個展のときである。横尾の作品を高く評価した三島は、すぐに自身の雑誌連載の挿絵に起用。また、自身が演出を務める新作歌舞伎のポスターデザインや、自身をモデルに細江英公が撮影した写真集『新輯薔薇刑(しんしゅうばらけい)』の装丁とレイアウトを横尾に任せた。足の病で入院中にもかかわらず横尾が何とか完成させた後者のカバーデザインを、三島が「俺の涅槃像(ねはんぞう)」だと評価した、そのわずか数日後に三島は割腹自殺。最後の電話では、インドは死を学ぶところではなく、むしろ生を学ぶところであり、「君もそろそろインドに行く時期が来た」、もっと強くなりなさいというようなことを言われたという。
自決の謎に加え、UFOの夢や入院等も重なり、以降、横尾は禅寺で修行したり、インドにたびたび出かけるなどして、精神世界に傾倒していくことになる。そうした精神世界への深まりは、仏教やキリスト教などに関連した様々な図像、光を放ち浮遊する物体、宇宙的なヴィジョンに表れ、「見えないもの」を画面上に現出させていった。また、この頃、同様に終末的意識を反映したものだろうか、ワンダーランドやユートピアといったパラダイス的イメージも数多く描いている。
1960年代後半から70年にかけては、海外でも注目されるようになり、『ライフ」誌で紹介されたり、ポスター15点がニューヨーク近代美術館に収蔵されただけでなく、69年に開催されたパリ青年ビエンナーレの版画部門ではグランプリを受賞、72年にはニューヨーク近代美術館で個展が開催されるに至っている。1967年以降頻繁に訪れることになるニューヨークでは、ベトナム反戦運動などを背景に台頭したサイケデリックカルチャーやヒッピー思想に影響を受けるとともに、ジャスパー・ジョーンズやアンディー・ウォーホルらポップ・アーティストたちに出会う。当地では、商業デザインと現代アートの世界は明確に区別されており接点がほとんどないにもかかわらず、何故か横尾はアーティストたちと同じ画廊で知り合いになり、何かと良くしてもらったという。トム・ウェッセルマンからは、このままニューヨークにいて、大きい絵を描いて、デビューしろとまで言われたが、自分はポスターとかで勢いに乗ってきているところだったので、とても、はいとは言えなかったという。
※横尾忠則「呪われた」 デザイナーから画家になり、80代で年間100点の作品を生む に続く。
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