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大卒内定率「過去最高77%」に潜むミスマッチ 見逃せない「53.1%」
社会人から、自分がお客さんをどう喜ばせているのか、自分の仕事が社会にどう役立っているのかなど、仕事のやり甲斐や面白さを聞いているのだ。もちろん、一人前になるまでの大変さや苦労話も耳にしているが、学生は仕事をポジティブに受け止めており、アルバイトとは違う、社会人としての仕事の醍醐味を感じていた。
参考までに言うと、会社の愚痴や仕事の大変さばかり話す社会人としか接点がない学生は、仕事や会社に対してネガティブな印象を持ち、内定をなかなかもらえずに苦労していた。
その一連のインタビューで、学生時代にどんな社会人と接点を持つかで、その後の人生が大きく変わるのだと確信した。
そして、もうひとつ印象に残っていることがある。それは、就職活動の参考にするために、取材班をアメリカに行かせた時のことだ。
アメリカで取材した高校には、今後どのような人生の選択をするかを学生が自ら決めるために、複数人の大人をインタビューに行くというカリキュラムがあった。
学生は自分が興味のある職業をリストアップし、その人たちの具体的な仕事内容、それに伴う日常の生活、大変なこと、やり甲斐、年収、今後の夢、覚悟や将来設計など、ありとあらゆるリアルな話を聞いてくるのだ。
その結果、大学に行ったほうがいいのか、専門学校で技術や知識を学んだほうがいいのか、それとも学校など行かず、一日も早く弟子入りしたほうがいいのか、自ら考え結論を出すのだ。
大学に入ったら、受け身の学びから脱却すべき
高校でこのような経験をして、自ら進学を望み大学に入学すれば、大学生時代の時間の使い方も充実したものになるであろう。日本の大学生の多くに見られる、入学するのが目的になり、入学後何をしていいのか分からずに何となく時を過ごすという学生生活とは違う時間の使い方だ。
日本の高校でもキャリア観を醸成するようなカリキュラムが取り組まれているが、もっともっと増えればよいと願っている。
本当に仕事に誇りを持ち、やり甲斐を語れる「本物」の社会人からたくさんの話を聞く機会を作ってあげてほしい。表面的なことやもっともらしいことを語る大人ではなく、自分の言葉で自信をもって、仕事を語れる本物の仕事人だ。
世の中への関心を高め、視野が広がれば、自分の個性が生きる仕事や職場を見つけやすくなる。
そのような経験をせず、大学生になったとしても決して遅くはない。しかし、少しでも早い段階から社会を知る機会を作るべきだ。
就職協定の中で、経団連が2017年に「1日」のインターンシップを事実上認めたこともあり、急速に「1dayインターンシップ」が広がっている。1dayインターンシップは、企業説明会と同じになる可能性があり、採用活動の早期化になることを恐れて、それまで認めてこなかったのだ。
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