コラム

<3分解説>ポルトガルってどんな国? 480年もの交流の歴史を持つ、日本が「初めて出会った」西欧

2024年05月18日(土)12時03分

景勝地

ジェロニモス修道院:ヴァスコ・ダ・ガマによるインド航路発見を記念して建てられた修道院。貝やロープなど公開をモチーフにした細かな装飾が特徴的なマヌエル方式の代表的建築物。

newsweekjp_20240514080254.jpg(写真AC)

発見のモニュメント:高さ52メートルの帆船をイメージしたモニュメント。大航海時代を記念して作られた。エンリケ航海王子をはじめ、何人もの大航海時代の偉人たちがあしらわれる。

newsweekjp_20240514080406.jpg(写真AC)

ロカ岬:ユーラシア大陸最西端の岬。「地終わり、海が始まる場」という有名な詩人の言葉が刻まれた石碑が立ち、最西端到達証明書も受領できる。

ドン・ルイス一世橋:美しいアーチが特徴的な二層構造の橋。橋の上からは、世界遺産のポルトの街並みとドウロ川が見渡せる。

newsweekjp_20240514080444.jpg(写真AC)

マデイラ諸島:「大西洋の真珠」と呼ばれる島々で、リゾート地として人気。豊かな自然と絶景を背景としたアクティビティのみならず、食や祭りなどユニークな文化が楽しめる。

著名人

クリスティアーノ・ロナウド(1985年~)...世界最高選手賞バロンドールを5回受賞したプロサッカー選手。世界最高の名門クラブで活躍し、チャンピオンズリーグ得点王受賞数は世界最多の7回。

フェルナンド・ペソア(1888~1935年)...ポルトガル語での作詞家で最も優れ、20世紀において最も著名な文学人であると言われている。作詞家、翻訳家、哲学者でもある。世界中の作家に影響を与えた。 

ジョゼ・サラマーゴ(1922~2010年)...作家、劇作家、ジャーナリストとして数々の著名な作品を生み、1998年に、ポルトガル語界で初のノーベル文学賞を受賞した。サラマーゴの本はポルトガルで200万部以上売り上げ、25か国語に翻訳された。

ヴァスコ・ダ・ガマ(1460年頃~1524年)...ポルトガル王国の海賊、探検家でインドに到達した大航海時代の立役者の一人。

トリビア

 これだけ知っていれば"通"気分

●「カステラ(castelo)」や「天ぷら(temperar)」など、ポルトガル語が日本語になった言葉が沢山ある。(パン(pão)、カッパ(capa)、ボタン(botão)、かるた(carta)、たばこ(tabaco)など)

●ポルトガルは南蛮貿易により日本に多くのものを伝えた。鉄砲の伝来は従来の日本の戦い方に変化をもたらし、織田信長は長篠の戦いで鉄砲隊で武田信玄を破った。また、カボチャやサツマイモといった西洋の野菜や砂糖などの食材もこの時に日本に伝わった。

●ポルトガルでは肉より魚料理が人気であり、タラやイワシ、タコなど日本で好まれる魚が好んで食べられている。さらに、お米の消費量はヨーロッパで一番であり、日本人の口に合う料理が多いとされる。

●ポルトガルは非常に治安が良いとされており、世界平和度指数(Global Peace Index)2023年版によると、ポルトガルは世界で4番目に安全な国であり、9位の日本より高いランクに位置する。

●首都リスボンは、3000年以上の歴史があり、ローマより古い都市であると言われている。

姉妹都市

自治体名:長崎県長崎市
提携自治体名:ポルト市
提携年:1978年
概要・経緯:1972年に長崎在住ポルトガル名誉領事が渡欧した際、ポルト市長に姉妹都市縁組の希望を伝えるメッセージが託された。1977年に長崎ポルトガル親善使節団によるポルト市訪問を機に提携調印に発展。

自治体名:静岡県熱海市
提携自治体名:カスカイス市(リスボン県)
提携年:1990年 
概要・経緯:1987年ポルトガル在住日本人会最高顧問の柔道家を通じて、カスカイス市から姉妹都市提携の申し入れがされ、提携に至った。

※記事中の数値や史実は、主に外務省ホームページ「国・地域>基礎データ」に準拠、「過去の万博」は過去の開催概要の記載・説明に準拠

20250121issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む


※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


プロフィール

くらふと

主に小中高生向けに異文化理解や世界の諸問題に関するワークショップなどの活動を行う東京外国語大学のボランティアサークル。(協力:南龍太)
Instagram:@tufs_kraft
X:@TUFS_KRAFT

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲うウクライナの猛攻シーン 「ATACMSを使用」と情報筋
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 8
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story