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街に住居に公園に...今日の防犯対策に生かされる「城壁都市のDNA」 理にかなっている理由とは?
実は、台湾の台北もかつて城壁に囲まれていた。琉球への影響力を弱めた清政府が日本(明治政府)の中国侵攻を恐れ、台湾を中国防衛の最前線基地とするため築城したのだ。城壁は高さ5メートルで、全長5キロに及んだという。
日清戦争の結果、台湾が日本の植民地になると、台北の城壁は撤去されることになった。しかし、取り壊しに地元民が反対したため、四つの城門だけは残された。ここにも、城壁都市に対する日本人と中国人の意識の違いが見て取れる。
今も、中国人は城壁都市が好きなようだ。例えば、坑鄭村には、現代版の城壁都市がある(写真5)。ここは、浙江省台州市にある人口300人ほどの村。山間部に位置しているため、かつては平穏な集落だった。しかし近年、目の前を省道が通るようになり(つまり、入りやすい場所になった)、それ以降、侵入盗が多発するようになったという。
そこで、三方を山に囲まれた特殊な地形を利用して、唯一平地に面した一方に城壁を築いた(つまり、入りにくい場所にした)。城門も夜間は閉じられる。完成は2011年。建設費600万円の7割は住民の寄付で賄われ、残りを行政が支援したという。この地域でも、城壁都市のDNAが受け継がれているのだ。
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