- HOME
- コラム
- 犯人目線で見る世界 ダークサイドの社会学
- 「容疑者」ではなく「場所」に注目...札幌コンビニ…
「容疑者」ではなく「場所」に注目...札幌コンビニ殺傷事件に見る、コンビニのリスク・マネジメント
Terence Toh Chin Eng-Shutterstock
<容疑者という「人」に注目しないことが犯罪予防の第一歩? 非常ベルの設置やカラーボールを投げるといった対策よりも大切なのは...>
報道によると、先月25日の午前6時50分頃、札幌市のコンビニエンスストア「セイコーマート」で従業員3人が刺された。容疑者は複数の刃物を持って入店。売り場をしばらく歩き回った後、レジカウンター内に侵入し、パート従業員の男性を襲った。
続いて、店内の陳列棚の前にいたパート従業員の女性を襲い、さらに、店の奥にあるバックヤードへ入った。そこで、運営会社の社員を複数回刺し、抵抗を受けたものの死に至らしめる。切り傷・刺し傷による出血性ショックだった。
その後、容疑者はレジカウンターから店外に脱出した男性を追いかけ、再び襲う。最終的には、駆けつけた警察官4人に路上で取り押さえられた。
殺人未遂容疑で逮捕された容疑者は「3人に恨みはなく、申し訳なく思っている」と供述したという。また、運営会社は取材陣に対し、「容疑者と店とのトラブルは確認できていない」と話している。
「人」に注目しても未来の犯罪は防げない
事件後、多くの人がこの事件に関心を持った。しかし、その興味の対象は容疑者という「人」に集中した。このように、「人」に注目する立場を、犯罪学では「犯罪原因論」と呼んでいる。犯罪原因論は、犯罪者が犯行に及んだ原因を究明し、それを除去することで犯罪を防止しようとする考え方だ。
対照的に、「場所」に注目する立場は「犯罪機会論」と呼ばれている。犯罪機会論は、犯罪の機会を与えないことで犯罪を未然に防止しようとする考え方だ。犯罪を行いたい者も、手当たりしだいに犯行に及ぶのではなく、犯罪が成功しそうな場合にのみ犯行に及ぶと、犯罪機会論は考える。
犯罪問題を考える場合、犯罪原因論では予防にはつながらない。言い換えれば、容疑者という「人」に注目しても、未来の犯罪を防げない。その理由は次の通りだ。
犯罪原因論は、大きく分けて、犯罪者の「内」に犯罪原因を求める立場と、犯罪者の「外」に犯罪原因を求める立場がある。
このうち、犯罪者の「内」に原因を求める立場は、「体」を重視する立場と、「心」を重視する立場に分かれる。「体」を重視するアプローチは、頭蓋骨、遺伝子、ホルモン分泌不全、栄養不良、脳障害などに注目する。一方、「心」を重視するアプローチは、知能、深層心理、精神障害、気質などを取り上げる。
不法投棄に落書き...凶悪事件の現場に見る「割れ窓理論」の重要性 2024.12.10
本当に「怠慢」のせい? ヤンキース・コールがベースカバーに走らなかった理由を考察 2024.11.12
日本に「パワハラ」や「クレイマー」がはびこる理由 2024.10.15
弱体化が続く町内会・自治会と地域防犯の切っても切れない関係 2024.09.12
「危険ドラッグ」の呼称が注意喚起になっていない理由 2024.08.07
埒が明かない学歴詐称問題...相互に関連し合い、一貫性もある「留学記録」を議論の出発点に 2024.07.04
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員