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EU離脱か残留か 翻弄される英国民の今
EU加盟時と全く同じ状態を要求する最大野党労働党も、この離脱協定案に反対した。
メイ首相はEUに掛け合ったが
1月15日、最初の離脱協定案が下院で大否決されると、メイ首相はすぐに「バックストップを何とかする」と言って、EUとの交渉を開始した。
今月11日、EUから新たな合意を取り付けたメイ首相。翌12日、下院に「新協定案」を出したものの、これもまたけんもほろろに否決されてしまった。
なぜ否決されたかというと、一言でいえば「前の協定案とほとんど変わらなかった」からだ。
離脱強硬派が求めたのは、英国がEUからの合意を必要とせずにバックストップを解消できる、法的拘束力がある権利だった。
メイ首相がEU側と新たに合意した文書の1つが、「法的拘束力のある共同文書」。これによって、EUが英国の意思に反してバックストップを続けようとした場合、英国は「正式な紛争」を開始できる、とメイ首相は説明した。
さらに、離脱協定と対になる「政治宣言」には、「共同声明」が加えられた。2020年12月までに、バックストップをこれに代わる案に変更するよう、互いに協力することを定めた。また、「一方的宣言」とされた文書によると、将来の通商関係についての交渉が決裂した場合、英国が一方的にバックストップを解消できる。
しかし、離脱強硬派は「これでは不十分」として新協定案を否決。北アイルランドを英国のほかの地域とは別扱いしてもらいたくないとする、地域政党「民主統一党(DUP)」も反対に回った。こうして、149票の大差で、またもメイ首相は協定案に過半数の支持を得ることができないままとなった。
今後の予定は?
これから、どうなるのか?
まず、13日、「合意なしブレグジット」(離脱のやり方について何の取決めもなく、離脱)を支持するかどうかの採決がある。
ちなみに、離脱条件に合意があって初めて「2020年12月までの移行期間」が有効となるので、「合意なし」では、移行期間の設定が消える。つまり、29日に「崖っぷちから飛び降りるような離脱」となる。
恐らく、下院議員の過半数が「合意なしブレグジットは支持しない(発生させない)」ことを支持すると言われている
これを踏まえて、14日には、EU基本条約(リスボン条約)第50条に定められた2年間の離脱交渉期間を延長するかどうかの採決が行われる。もし「延長するべき」となった場合、メイ首相はEU側に延長願いを出すことになる。
「延長」も問題含み
さて、ここからが、英国からすると、「視界不良」となる。
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