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民主的統制か国益か――岸田首相のキーウ訪問を実現する「打開策」
新しい国会慣行と日本ならではの外交スタイルをつくる時
そこで、具体的な日時や移動経路(ロジ)の詳細についての開示は控え(「3月中旬または下旬にキーウを訪問する」といった抽象的な報告にとどめる)、非公開の議運理事会で概括的な「事前報告」と「了承」をまずは行う。その上で、公式または非公式の外交ルートを通じて関係国に通告を行った後に、キーウ訪問を実施。帰国後に晴れて、外交成果を含めた報告を行い「事後的な了承」とする――。
このような二段構えの承認形式であれば、議院内閣制の下での「了承と監督」の形式と実質を確保しつつ、国会審議の充実化に資する新しい国会慣行と日本ならではの外交スタイルをつくっていくことにつながると思われるが、いかがであろうか。
2月の各社世論調査における政権支持率を1月と比べると、「毎日新聞-1ポイント」と「朝日新聞±0」を別として、残る各社の結果は上昇傾向を見せている(日経テレ東+4、NHK+3、産経FNN+2.9、読売日テレ+2、テレビ朝日+1.4、時事+1.3、共同+0.2ポイント、JNN+2.8)。
異論反論は多々あるとは言え、少子化対策など国民的関心の高い政策議論を推進し、性的少数者差別発言をした首相秘書官を即時に更迭する危機管理劇を見せ、戦後初となる学者出身の日銀総裁を選出するといった岸田政権の打ち出しを好感する層が増えている可能性がある。
とはいえ、低支持率であることは依然として変わらない。4月には統一地方選挙が控えている。「外交の岸田」を有権者に強烈にアピールするキーウ訪問を、首相は実現できるだろうか。
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