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上手く演奏するか、「ガス室送り」か...文字通り「音楽に命を懸けた」アウシュビッツの女性オーケストラ
「アルマは自分をユダヤ人だとは思っていなかったが、すぐに1人でも多くのユダヤ人女性を救おうと決心した。キリスト教徒は必ずしもガス室に直行するわけではなかったからだ。ユダヤ人女性をオーケストラに加えることは命を救うことに直結した」とセバ氏は語る。
1日10~11時間、リハーサルを繰り返した
アルマは厳格な規律主義者だった。楽団員が間違ってF♯ではなくF♭を演奏すると1週間、単純作業の罰を与えた。「ナチスから期待される音楽的な能力があるか、さもなければオーケストラ全員がガス室送りになるかどちらかだとアルマは認識していた」(セバ氏)
アルマはよく「上手く演奏するか、さもなければ殺される」と叱咤した。プロのオーケストラが1日に3時間リハーサルをするところを、彼女たちは1日10~11時間、食事も摂らずに凍えるような極寒の中、狭い部屋で一心不乱にリハーサルを繰り返した。
女性オーケストラの楽団員は11カ国、年齢層は15歳から56歳。信じられないほど多くの言語が使われていたが、ユダヤ人とキリスト教徒の確執もあった。アルマは1人でも多くのユダヤ人女性を救うため二重奏を取り入れ、歌手に写譜をさせることで楽団員の数を増やした。
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