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ウクライナ停戦交渉の代償...ゼレンスキー「とっておき」5000億ドル分のレアアースは平和をもたらすか
ウクライナの重要資源埋蔵量は12兆ドル相当?
地球温暖化懐疑主義者であるにもかかわらず米国第一主義者のトランプ氏は「資源戦争」で中国に対して優位に立ち、米国の競争力を高めようとしている可能性がある。その文脈から見ればグリーンランド併合をほのめかしたこともうなずける。
エネルギー転換鉱物の市場は大幅な成長を遂げ、5年間で倍増、2022年に3200億ドルに達した。持続可能エネルギーへの移行が進めば市場は今後5年以内に再び倍増すると予測されている。EV、エネルギー貯蔵システム、クリーンエネルギー需要は拡大する一方だ。
ウクライナの重要資源埋蔵量は12兆ドル相当と推定され、石炭などの天然資源すべてを含めると26兆ドルに跳ね上がるとの見方もある。しかし「埋蔵資源の多くは未開発であり、資源の質や量は推測の域を出ない」(キーウ・インディペンデント)という。
米国がウクライナでレアアースの採掘を始めるには平和と安全が大前提になる。米国のウクライナ支援は22年1月~24年10月間に883億ドル。さらに307億ドルの支援が予定されている。5000億ドル分のレアアースが手に入れば文句の言いようがない。
トランプ氏の実利主義がウクライナに平和をもたらすか、しばらく事の成り行きを注意深く見守る必要がある。
米国を「孤立主義」から「拡張主義」に転換...「ガザ長期管理」唱えたトランプの狙いは? 2025.02.06