コラム

今年も化石燃料によるCO2排出量は「過去最高」に...「生きるか死ぬかの問題だ」WHO専門家がCOP29で警告

2024年11月20日(水)06時08分

フィジーの気候変動問題担当ビマン・プラサド副首相は「気候危機の影響は海面上昇、異常気象の増加、生態系の乱れなど太平洋島嶼国に最も顕著に現れており、私たちの家屋、健康、生活を脅かしている。主に石油・ガス・石炭の採掘と使用が続いていることに起因する」と訴える。

化石燃料の段階的な廃止を世界的に管理する

「化石燃料は過去10年間の全炭素排出量の86%を占める。私たちは裕福な高汚染国による温室効果ガス排出の人的・経済的影響を被っている。1.5度目標を達成するため化石燃料不拡散条約の提案を支持する。来年大きな前進を遂げるだろう」とプラサド副首相は意気込んだ。

化石燃料不拡散条約は気候不正義に対処し、エネルギー移行を実現すると同時に化石燃料の段階的な廃止を世界的に管理する手段だ。法的拘束力のあるメカニズムの提案は富裕国に責任を負わせる一方で、気候変動に脆弱な国々に移行に必要な財政的・技術的支援を提供するという。

COP29で各国首脳や専門家が警鐘

コロンビアのスサナ・ムハマド環境相(同)

コロンビアのスサナ・ムハマド環境相は「化石燃料不拡散条約の機運は引き続き高まっている。今年さらに10カ国が協議に参加する予定だ。COP29で気候資金に関する数値化された野心的な目標が設定されるようともに取り組んでいく」と話した。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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