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「エゴは外に置いてきて」 クインシー・ジョーンズ、個性派スターをまとめあげた『We Are The World』の奇跡
2024年11月06日(水)17時32分
「人類は一つ」というシンプルなメッセージ
「コーラの瓶にスイカを押し込む」(クインシー)作業は実に10時間に及んだ。マイケル・ジャクソンはスタジオに一番乗りし、クインシー・ジョーンズとソロのラインを確認した。
ブルース・スプリングスティーンのしわがれ声、個性的すぎるボブ・ディランのソロ、シンディ・ローパーのパンチのきいたボイス。強烈な個性が1つになった。
Netflixの『ザ・グレイテスト・ナイト・イン・ポップ』によると、ダイアナ・ロスは最後までスタジオに残り、「この瞬間が終わってほしくない」と涙をこぼした。
『ウィ・アー・ザ・ワールド』が成功したのはトップスターたちが一人ひとりの人間として「人類は一つ」というシンプルなメッセージを送ることにこだわったからだ。
「1億人の飢餓を救う」をスローガンにロンドンと米フィラデルフィアで行われたチャリティーコンサート「ライブエイド」は1億2700万ドル、『ウィ・アー・ザ・ワールド』は6300万ドルを集めた。現在の日本円に置き換えると実に675億円にのぼるという。
米大統領選を5日に控えたクインシー・ジョーンズの死は私たちに何を伝えようとしているのだろう。
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