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「エゴは外に置いてきて」 クインシー・ジョーンズ、個性派スターをまとめあげた『We Are The World』の奇跡
クインシー・ジョーンズ(2018年11月) Mario Anzuoni-Reuters
<飢餓救済チャリティーソング『ウィ・アー・ザ・ワールド』で、個性とアクの強いトップアーティストたちを見事にまとめ上げた唯一無二の才能>
[ロンドン発]世界で最も売れたアルバム、マイケル・ジャクソン(故人)の 「スリラー 」をプロデュースした20世紀で最も影響力のある米音楽界の巨人クインシー・ジョーンズが11月3日、カリフォルニアの自宅で安らかに息を引き取った。91歳だった。
クインシー・ジョーンズは『質屋』(1964年)、『冷血』(67年)、『カラーパープル』(85年)など映画音楽の作曲家、レコード・プロデューサーとして成功を収め、グラミー賞に80回ノミネートされ、28回も受賞した。
その成功ですら彼の才能に比べるとささやかなものに過ぎない。
筆者が大学生だった81年、クインシー・ジョーンズがカバーしたディスコ音楽『愛のコリーダ』が大ヒットした。
85年にはライオネル・リッチー、マイケル・ジャクソンら米国のトップミュージシャン45人以上が参加した飢餓救済チャリティーソング『ウィ・アー・ザ・ワールド』をプロデュースする。
「何のしがらみもないあなたが選ぶしかない」
今から40年前の84年、エチオピア飢饉で推定60万~100万人以上が亡くなった。国際赤十字のエイドワーカーとして働いていた英国人女性クレア・バートシンガーさんは「1000人の飢えた子どもを目の前に食料を与えられる60~70人を選ぶのが私の仕事だった」と振り返る。