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彼女こそ米国の光...テイラー・スウィフトをブリトニーと間違えたのは、バイデンの致命傷になりかねない
Brian Friedman/Shutterstock
<81歳のバイデンが間違うのも仕方がないが、大統領選に向けて笑い話では済まないほどの影響力がテイラー・スウィフトにはある>
[ロンドン発]来年の米大統領選で再選を目指すジョー・バイデン氏は81歳の誕生日と重なった11月20日、ホワイトハウスで七面鳥に恩赦を与える毎年恒例の感謝祭行事に出席した。米大統領の最高齢記録を更新し続けるバイデン氏は自身と民主党を支持する国民的歌手テイラー・スウィフトをブリトニー・スピアーズと間違えた。
自叙伝『The Woman in Me』でスキャンダラスな過去を赤裸々と綴ったブリトニーはイラク戦争で「ジョージ・W・ブッシュ大統領(共和党)のすべての決断を信頼し、支持している」と無条件の忠誠を示した。しかしバラク・オバマ大統領(民主党)とウクライナの民主化を呼びかけ、20年にはインスタグラムで富の再配分を求め、共和党支持者から突き上げられた。
バイデン氏は「知っておいてほしいのだが、60歳になるのは難しい。実に難しい。この行事は今年で76回目を迎えるが、 私は最初の行事には参加できなかった。まだ生まれていなかったからね」とユーモアを交え、「七面鳥がここにたどり着くまでに厳しい競争に打ち勝たなければならなかった」と話した。そのあと間違いが飛び出した。
「(ビヨンセの)ルネサンス・ワールドツアーやブリトニー(実はテイラーのこと)のツアーのチケットを手に入れるよりも難しいとさえ言える。 彼女は暖かいブラジルにいる」と言い間違えた。ブラジルではテイラーのコンサートを楽しんでいた観客が猛暑のため死亡する事件が起きている。
バイデン氏は移動の際の転倒や言い間違いをたびたび報じられている。米紙ニューヨーク・タイムズ(11月5日付)に掲載された世論調査(対象は登録有権者3662人)では71%が「バイデン氏は有能な大統領になるには年を取りすぎている」と回答。バイデン氏の支持者でさえ54%がそう考えていた。
テイラーほど米国の心をつかんだ歌手はいない
バイデン氏の言い間違いは日常茶飯事だが、大統領選で勝ちたいのならこの取り違えは命取りだ。23年、テイラーほど米国の心をつかんだ歌手はいない。彼女のライブコンサートを映画化した『テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR』は全米で1億1000万ドル、世界中で1億4000万ドルの興行収入を上げ、コンサート映画では史上最大の成功を収めた。
製作費わずか1500万ドル。テイラーは巨大ハリウッドスタジオの配給網を避け、映画館チェーンと直接取引することを選ぶ商業的才覚を発揮した。アルバム総販売数は453万1000枚、全米で売れたアルバムの5.4%を占めた。2位の韓国男性アイドルグループ、ストレイ・キッズは75万3000枚で、テイラーはその6倍というお化けぶりである。