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イラン製「カミカゼドローン」に日米欧の電子部品が...G7の「経済力低下」で制裁は穴だらけ 逆噴射の恐れも
制裁が効かないどころか「逆噴射」も
しかし現実は厳しい。北朝鮮の金正恩総書記はウラジオストクを訪れ、プーチンに砲弾や対戦車ミサイルを売り込んだ。プーチンは「北朝鮮の指導者は宇宙開発やロケットに大きな関心を示しており、宇宙開発に取り組もうとしている。私たちは新しいものをお見せする」と、北朝鮮が独自の衛星やロケットを打ち上げるのを手助けすることを否定しなかった。
ロシア、イラン、北朝鮮の「悪の枢軸」が核とミサイルの脅威を拡散するのを西側は阻止できるのか。欧州のシンクタンク、欧州外交評議会(ECFR)の上級政策研究員アガテ・ドゥマレ氏は新著『バックファイアー』の中で、1970年以降の米国の制裁を検証したところ、対象国が米国の思惑通りに行動を変えた割合は13%に過ぎなかったことを明らかにしている。
「制裁は効果がある場合もあるが、そうでない場合も多く、いつ効果が出るかを正確に予測するのは難しい」という。苦痛を味わう対象国の国民を敵に回してしまう恐れもある。米国の制裁に怒ったロシア国民は軍隊に入隊するため列をなしているとも伝えられる。制裁の効果が限定的である理由の一つに制裁がしばしば簡単に回避されることも挙げられる。
米国を筆頭とする西側が過去の教訓から学べなければ、「悪の枢軸」を隠れ蓑にする中国に付け入られる恐れが膨らむ。