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G20サミットで「米欧vs中露」の対立鮮明...議長国インドはしたたかに立ち回り、首脳宣言は見送りか
「インドはG20サミットを成功させることで『大国』としての地位を高めることを期待しているようだ。『インドとともにある』と主張する米国や西側はG20サミットの参加国間の『違い』を誇大宣伝するために多大な努力を払っている。今年のG20サミットはこれまで以上に騒々しく複雑な状況に直面する恐れがある」と指摘する。
「インドは6つの優先課題を発表している。グリーン開発と気候変動資金、包括的成長、デジタル経済、公共インフラ、テクノロジーの変革、女性のエンパワーメントのための改革である。西側が最も注目するロシアとウクライナの紛争では、インドはウクライナの指導者を今回のサミットに招待しなかった。経済回復と多国間外交に議論を集中させたいからだ」
米欧と中露の綱引きの場になったG20
世界金融危機の際、G20サミットは先進国と新興・途上国の国際協調の場として生まれた。G20は世界人口の3分の2、世界GDP(国内総生産)の85%、国際貿易の75%以上を占める。気候変動、環境、パンデミックなど地球規模の課題には多国間主義が不可欠だ。G20はもともと地政学的な競争の場ではなかったが、今や完全に米欧と中露の綱引きの場と化している。
環球時報は「昨年のインドネシア・バリでのサミット以来、米欧はG20を引き裂こうとする傾向を見せてきた。米国と西側の世論は第一にBRICS拡大後のメカニズムを注視し、G20との『対立』を誇張している。第二にインドの議長国という立場につけ込んで中国とインドの対立を誘発し、龍と象の競争を煽っている」と米欧批判を強めている。
G20サミットに先立ち、ジョー・バイデン米大統領は8日、ナレンドラ・モディ首相と会談、防衛協力を含む米国とインドの緊密かつ永続的なパートナーシップを再確認した。自由、民主主義、人権、包摂、多元主義、全国民に平等な機会という共通の価値観が両国の関係を強化することを強調した。 6月にモディ首相は歴史的なワシントン訪問を果たしている。
バイデン、モディ両首脳は自由で開かれた包摂的で強靭なインド太平洋を支える上で日本、米国、オーストラリア、インド4カ国(クワッド)の重要性も改めて確認。 モディ氏は24年にインドが主催する次回クワッド首脳会議にバイデン氏を迎えることを期待している。インドは米国がインド太平洋海洋イニシアティブの柱を共同主導することも歓迎した。