- HOME
- コラム
- 欧州インサイドReport
- コロナの教訓「バイオテロにワクチン備蓄で備えよ」 …
コロナの教訓「バイオテロにワクチン備蓄で備えよ」 英健康安全保障専門家が指摘
米国に反ワクチン運動を輸出したのは英国
ワクチン懐疑主義についてヘイマン氏は「ワクチン開発では動物実験を行い、動物での安全性と有効性を確認してからヒトに投与され、安全性、次に免疫反応を引き起こす能力、最後に病気そのものへの影響を調べる。コロナワクチンが使用されてから2年余しか経っておらず、長期的にどのような結果が得られるかについてはあまり知られていない」という。
「私たちが知っているのは新しいワクチンに義務付けられている2年間の接種後調査においてワクチンによる有害な副作用や長期の副作用を示す証拠はないということだ。反ワクチン運動にはどう対処すれば良いのか。英国では医療制度が信頼されているため上手く対処できた。一方、信頼されていない中国ではワクチンを摂取しない人がいた」
「短期的に見た場合、人々がワクチンを摂取しないのは間違った判断、間違ったリスク評価をしているからだ」。1998年、英国の胃腸科医師アンドリュー・ウェイクフィールド氏が医学雑誌ランセットに「自閉症の子供の保護者が新三種混合(MMR)ワクチンを接種してから子供たちの様子がおかしくなったと証言している」という内容の論文を投稿した。
世界中が大騒ぎになり、MMRワクチン接種率が落ちたものの、論文はデタラメだったとして撤回され、ウェイクフィールド氏は医師免許を取り消された。しかしウェイクフィールド氏は米国に活動拠点を移し、反ワクチン活動に従事している。「米国に反ワクチン運動を輸出したのは英国だ」とヘイマン氏は苦笑いした。