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ミャンマー軍の兵器製造に、日本企業の精密機械...北朝鮮など制裁対象国の「抜け道」とは
台湾も重要な中継拠点
台湾もミャンマー国軍の兵器製造のため欧州メーカーを含む高精度CNC機械を購入する際の重要な中継地点として機能していた。中国北方工業公司との仲介役とされるミャンマーのコングロマリットの支援を受け、国防産業総局は軍需工場からCNC機械を定期的に台湾に送り、欧州メーカーの整備を受けていた。
2021年2月のクーデター以降、ミャンマー国軍は平和的な抗議行動や反体制武装闘争の高まりに対して、処刑、虐殺、人権侵害などの弾圧を強化してきた。その際、治安部隊が狙撃銃や半自動小銃など国産兵器で武装していた。弾圧に使用された弾薬にはミャンマー国軍国防産業総局の刻印が押されていたという。
ミャンマー軍は徐々にさまざまな兵器をほぼ自給自足できるようになってきた。西側の制裁を回避する必要性から、国内軍需工場の近代化・増設、必要な原材料を供給するための補助産業を強化する取り組みが強まるだろうとSAC-Mの報告書は予測する。しかし依然として原材料、部品、最終製品、機械や技術など多くの供給を外国に依存している。
SAC-Mは「報告書で特定された企業はミャンマー国軍国防産業総局や関連企業との取引を直ちに停止し、自社製品が軍需工場で使用されるに至った経緯を調査する必要がある。ミャンマーにおける自社製品の販売やライセンス供与などに関するリスクを特定し防止するための強固なデューデリジェンスを行うべきだ」と提言している。