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英ワクチン戦略に富士フイルム子会社が参加 「戦時体制」で集団免疫獲得に突き進む
背景として、イギリスでコロナ関連の臨床試験に協力した人が最初の8カ月だけでも63万7379人もいたことが挙げられる。コロナワクチンの集団予防接種でも高齢者が積極的に接種を受けた。イギリスではNHSが市民の信頼を得ていることが大きいとは言え、日本ではどれぐらい臨床試験に参加する人がいるのだろう。
(4)危機感
オックスフォード大学のジョン・ベル欽定教授(免疫学)は英紙タイムズに「世界最速で接種が進むイスラエルのように新型コロナウイルスとの戦いを戦争とみなす必要がある」と接種をスピードアップするよう発破をかけてきた。
一方、東洋経済オンラインによると、日本では緊急事態宣言が1都3県で解除されてわずか3日後の3月24日、東京・銀座の居酒屋ではコロナ対策を担う厚生労働省の官僚23人が午前零時ごろまで宴会を続けていたそうである。人の接触回数が増えれば再び、病院にコロナ患者があふれることになる。
筆者は先日、自宅の隣人である男性がコロナに感染し、集中治療室(ICU)で1週間、死線をさまよった話を聞いたばかりだ。男性は痩せていて50代。玄関先で配達人と話した時に感染し、血栓症で腕がロウのように真っ白になったという。
コロナ感染症は欧米と日本では全く深刻度が異なるのかもしれないが、今年夏に東京五輪・パラリンピックを控える日本の、この緊張感のなさは一体、何と表現すればいいのだろう。