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英ワクチン戦略に富士フイルム子会社が参加 「戦時体制」で集団免疫獲得に突き進む
【4月12日以降】美容院、ネイルサロン、図書館、動物園、テーマパーク再開。レストランやパブ、バーの屋外営業再開。結婚式は15人まで。
【5月17日以降】6人または2世帯まで屋内で集まれる。レストランやパブ、バーの屋内営業可(着席)。シネマやホテル再開。屋内イベントは1千人、屋外イベントは4千人まで。結婚式は30人まで。
【6月21日】社会的距離政策を解除し、正常化する。
ジョンソン首相が昨年、第2波を鎮静化できなかったのは、感染力が最大70%も強い英変異株が英南東部ケント州やロンドンで猛威をふるい始めていたことや、欧州連合(EU)離脱後の交渉を巡り与党・保守党内強硬派の支持を取り付けるため、2回目の封鎖解除を急いだことが大きい。
ブレグジットという懸案事項が取り除かれた今、ジョンソン首相は科学者の声に忠実に耳を傾けている。
1人当たりのワクチン確保量では日英に3倍近い開き
イギリス(人口約6665万人)は8種類のワクチンについて4億5700万回分を確保。日本(人口1億2630万人)は米ファイザー、モデルナ、英アストラゼネカ製3種類のワクチン計3億1400万回分の供給を受けることになっているが、接種したのは今のところ82万5704人(計89万662回)にとどまっている。
国民1人当たりに換算すると確保したワクチンの量ではイギリスと日本の間には3倍近い開きがある。
【英政府が確保しているワクチン】
・独ビオンテック/米ファイザー(緊急使用を承認)4千万回分
・英オックスフォード大学/英アストラゼネカ(承認)1億回分
・米モデルナ(承認)1700万回分
・米ノババックス (第3相試験)6千万回分を確保
・米ジョンソン・エンド・ジョンソン(第3相試験)3千万回分を確保
・英グラクソ・スミスクライン(GSK) /仏サノフィ(第1/2相試験)6千万回分
・仏ヴァルネヴァ(第1/2相試験)1億回分
・独キュアバック(第3相試験)5千万回分
ノババックス製ワクチンは組換えタンパクワクチンで、イギリスで行われた第3相試験で89.3%の有効性が確認されている。日本国内では武田薬品工業が自社工場でライセンス生産する予定だ。
イギリスでは富士フイルムの子会社フジフイルム・ダイオシンス・バイオテクノロジーズが英北東部ストックトン・オン・ティーズで生産し、GSKが同バーナード・キャッスルで6千万回分を瓶詰めすることで合意した。
現在、英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)で緊急使用の承認手続きが進められており、GSKは早ければ5月にも作業を開始したいという。