コラム

日本が韓国の新型コロナウイルス対策から学べること──(4)軽症者の隔離・管理対策:「生活治療センター」

2020年05月11日(月)10時55分

日本政府は4月2日に「新型コロナウイルス感染症の軽症者等の宿泊療養マニュアル」を都道府県、保健所設置市、特別区の衛生主観部(局)に送付しており、軽症者に対する隔離・管理作業を本格化した。また、アパホテル(全国6ホテルで合計4075室)や品川プリンスホテル(919室)等がホテルの客室の提供をしており、客室数としてはすでに韓国の「生活治療センター」の客室数を上回っている。今後は実際に運営するにおいて医療従事者等に感染が広がらないように、そして限られた医療従事者の負担を最小化し医療崩壊が起きないように万全を期すことが大事である。

韓国が行った対策が必ず最高の対策とは言えない。但し、韓国の対策をベンチマーキングし、日本が足りないと思う部分を補えば、時間的・経済的損失を最小化しながらより多くの人命を救うことが可能だろう。今日本の政治家や行政が何より優先すべきことは、国民の命を救うことだ。そのために日韓協力が役に立つ、絶好のチャンスでもある。

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プロフィール

金 明中

1970年韓国仁川生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科前期・後期博士課程修了(博士、商学)。独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年からニッセイ基礎研究所。日本女子大学現代女性キャリア研究所客員研究員、日本女子大学人間社会学部・大学院人間社会研究科非常勤講師を兼任。専門分野は労働経済学、社会保障論、日・韓社会政策比較分析。近著に『韓国における社会政策のあり方』(旬報社)がある

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