日本経済に訪れる「30年目の大転換」...課題の一方で、「景気拡大のチャンス」をもたらす今年の最大の注目点は
「パー券政局」のリスク
一方でインフレが進み、金利が上昇すれば企業の行動は明らかに変化する。現金保有は損失となるので、企業は設備投資拡大に踏み切らざるを得ず、これが景気拡大の呼び水になると期待される。企業が設備投資を増やし、同時並行で積極的な賃上げを実施すれば、家計の可処分所得が増え、消費の拡大が期待できる。
つまり日銀が金利と物価をうまくコントロールできれば、日本経済を再び成長軌道に乗せることができる一方、金融政策の舵取りを誤れば、一気に景気の腰を折ってしまうことになる。日銀に対する期待はこれまで以上に高まるだろうが、ここに立ちはだかるのが政治である。
パーティー券収入の不記載と裏金疑惑は、一歩間違えば政局となるリスクをはらむ。日銀は政治的に独立しているとはいえ、政治を無視して金融政策を決めることは事実上、不可能である。
政治的混乱が続けば、日銀は機動的な金融政策を実施しにくくなり、海外投資家も腰を据えて日本市場に投資できなくなるだろう。金利と為替、そして物価は全て連動していることを忘れてはならない。結局のところ日本経済不信の元凶は政治であり、一刻も早い正常化が望まれる。
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