コラム

習近平の「ナショナリズム」は、かつて「大東亜共栄圏」を唱えた日本と同じ泥沼に突き進むのか

2023年07月26日(水)20時23分

かつて日本が進んだ危険な道

だが中国政府が実施している一連の外国企業排除の政策を見ると、単なる駆け引きの材料とは思えない部分も多い。中国がアメリカという巨大市場を失ってから既に5年が経過しており、成長鈍化も今に始まったことではない。

毛沢東を彷彿とさせる社会主義的な政策に邁進する習政権にとって、もはやアメリカは不要と考えているフシもある。

アメリカ不要論が背景にあった上での王毅氏の発言ということになると、事態は少々厄介である。かつて日本は大東亜共栄圏を唱え、西欧文明の否定を声高に叫び、泥沼の戦争に突き進んだ。

少なくとも今のアメリカに世界をリードする政治力がないことだけは確実であり、状況は流動的だ。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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