「表参道タワマン都営住宅」騒動の背景にあった、東京の「のっぴきならない」不動産事情
毎年、首都圏には地方から10万人程度の人口流入があり、地方の衰退によって、今後はその流れが加速するとみられる。一方で、首都圏の新築マンション供給量は多くても年5万戸程度にすぎず、再開発案件も出尽くしたことから、今後は供給数の減少が予想される。
これまでは結婚を機に持ち家の購入を検討する世帯が多く、賃貸住宅の需給バランスが取れていたが、マンション価格の高騰によって、一生、賃貸という世帯が増えると、賃貸住宅が一気に不足する。不動産価格は10年前の1.5倍以上になっており、家賃が跳ね上がるのも時間の問題だ。
公的年金の給付は今後、2~3割程度、減少することがほぼ確実となっており、住宅を持たない多くの中間層が老後、生活難に陥ることが予想される。これは首都圏だけの話ではなく、全国の大都市圏でも同じ問題が発生する可能性が高い。
中間層が安心して居住できる賃貸住宅を整備していくことは、政府や自治体にとって喫緊の課題となりつつある。
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