関電スキャンダルの本質、「原発経済圏」の闇を暴く
多額の資金を得た自治体は、一気に予算を拡大させてしまうので、原発の新規建設が続かないと予算を維持できない。ある自治体に原発ができると2号機、3号機と次々に増設が行われることにはこうした背景があり、一種の麻薬のような効果をもたらしている。
日本は全国に40基近くの原発を抱えているが、一連の金額を単純に足し合わせると総額で約7兆円が自治体に落ちる計算であり、この巨額マネーをめぐってすさまじい争奪戦が行われてきた。
先日、原子力関連施設を多数抱える茨城県東海村の山田修村長が「原発不要論者は自宅から出るな」と過激な発言を行ったことが問題視されたが、これだけの原発マネーが自治体に落ちているという現実を考えると、(原発マネーの持続を求めたと受け取られかねない)同氏の発言は、やはり不適切だったと言わざるを得ない。
政府は第5次エネルギー基本計画で原発新設を明記せず、このままでは日本の原発はあと30年で自然消滅する。再稼働するにせよ原発をなくすにせよ、エネルギー開発に伴うマネーの動きを透明化できなければ、再び同じ問題を起こしかねない。関電スキャンダルは原発マネーを透明化するきっかけとすべきだろう。
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