ミスド「500店舗調理廃止」は外食産業シェア化の幕開け

写真はイメージ-iStock.
ドーナツ専門店「ミスタードーナツ」が事業構造の転換を進めている。背景にあるのは慢性的な人手不足と消費の落ち込みである。近隣店舗で商品をシェアするミスドの新しい取り組みは、コンパクト化する消費社会の未来を暗示しているのかもしれない。
売上高が2~3割減ることも想定
ミスドはこれまで各店舗にキッチンを備え、原則として店内でドーナツを作っていた。キッチンがあるといっても、オーダーを受けてから揚げるわけではなく、商品によっては店頭に出すまで時間をおく必要がある。このため、すべての商品が作りたてというわけではなかったが、店内にキッチンが存在することは「手作り感」を演出するという意味で、大きな効果があったことは間違いないだろう。
だが同社は、昨年から事業構造の大規模な転換を進めており、店舗の装備についても見直しを行っている。今後はキッチンなしの店舗を増やし、キッチンありとキッチンなしの店舗を複合的に出店していく方針だ。キッチンなしの店舗は全体の4割にあたる約500店舗になる見込み。キッチンありの店舗から商品を配送するとともに、持ち帰り専門店を増やすことで店舗の総コストを削減する。
【参考記事】日本でコストコが成功し、カルフールが失敗した理由
キッチンなしの店舗の場合、調理の必要がないことから未経験の店員でも配置が可能となり、人手不足にも柔軟に対応することができるという。
今後は、キッチンなしとキッチンありの店を複合的に配置するので、結果的に同社はドミナント戦略的な出店計画となる。小売や外食業界では、狭い地域に店舗を集中させるやり方を「ドミナント戦略」と呼んでいるが、通常、この方策はシェアの拡大に用いられることが多い。セブンイレブンが代表的な例だが、狭いエリアに集中的に出店することで、競合から顧客を丸ごと奪うという考え方である。
だが今回のミスドにおけるドミナント戦略は、市場縮小に対応し、店舗の総コストを引き下げるという目的で実施される。同社は今後の市場動向についてかなり厳しく見ており、現状から2~3割ほど売上高が減少しても採算が合う事業構造を目指すという。
日本維新の会、「社会保険料の引き下げ」「医療費削減」主張...背後にある「思惑」とは? 2025.03.12
「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない、コメ不足の本当の原因とは? 2025.03.05
石破首相・トランプ大統領の首脳会談が「大成功」と言えるワケ...日本企業の「利益」とは? 2025.02.20
-
外資向けデータセンター構築のソリューション営業・在宅可/英語力を活かせる
株式会社NTTファシリティーズ
- 東京都
- 年収700万円~900万円
- 正社員
-
品川本社/ベンダーファイナンス営業 大手外資系ICTベンダー/業界未経験歓迎・リモートワーク可
NECキャピタルソリューション株式会社
- 東京都
- 年収400万円~630万円
- 正社員
-
東京/大阪/名古屋/法人営業マネージャー ドイツ系機械商社/創業160年老舗外資
株式会社イリス
- 東京都
- 年収780万円~900万円
- 正社員
-
大手町駅徒歩5分 外資系インフラベンダーPM
株式会社スタッフサービス ITソリューション
- 東京都
- 月給23万5,000円~
- 正社員