コラム

日本に迫る政党の「ガラガラポン」

2024年06月28日(金)17時20分

しかし生成AIの現代、これほど「政党」に固執しなければいけないのだろうか? これまでの国家、政党政治の在り方は本当に原始的に見える。無知、無恥、虚栄、貪欲といった人間の悪徳をむき出しにした政治家たちが、政党という名の徒党をつくって相争い、物事を仕切ろうとする。

もともと国家とは、税金を集め、それで領域を守り、治安を維持し、経済・生活のルールを定め、社会保障で格差を是正する存在。この多くの機能は、AIが果たすことができるだろう。

しかしその中には、「政治劇場」というエンタメゲームもつくってほしい。裏金とか怨念とか野心とか無知とかセクハラとか、あらゆる人間的要素がてんこ盛りの政治家のアバターたちが戦うゲームだ。

エンタメも政治や政党の重要な任務なのだ。それにAIが相手では、年金が少なくても文句の付けようがない。AIに頼らない、人間の、人間による、人間のための政治であってほしいが。

【関連記事】
脱成長?「生活大国デンマーク」への日本人の片思い
自民が下野する政権交代は再現されるか

20240709issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年7月9日号(7月2日発売)は「中国EVの実力」特集。欧米の包囲網と販売減速に直面した「進撃の中華EV」――そのリアルな現在地は?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ベトナム、外国投資誘致で基金設立へ プロジェクトの

ワールド

イスラエルがガザ南北を攻撃、パレスチナ人25人死亡

ビジネス

コロナワクチン特許訴訟、ファイザーとモデルナともに

ワールド

ドイツとポーランド、防衛協力強化を協議へ ロシアの
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国EVの実力
特集:中国EVの実力
2024年7月 9日号(7/ 2発売)

欧米の包囲網と販売減速に直面した「進撃の中華EV」のリアルな現在地

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「帰ってきた白の王妃」とは?
  • 2
    能登半島地震から半年、メディアが伝えない被災者たちの悲痛な本音と非情な現実
  • 3
    ウクライナ戦闘機、ロシア防空システムを「無効化」...滑空爆弾の「超低空」発射で爆撃成功する映像
  • 4
    H3ロケット3号機打ち上げ成功、「だいち4号」にかか…
  • 5
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド…
  • 6
    中国のロケット部品が村落に直撃...SNSで緊迫の瞬間…
  • 7
    自宅で絶叫...ウガンダから帰国した旅行者がはるばる…
  • 8
    大統領選討論会で大惨事を演じたバイデンを、民主党…
  • 9
    エリザベス女王が「誰にも言えなかった」...メーガン…
  • 10
    キャサリン妃は「ロイヤルウェディング」で何を着た…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「帰ってきた白の王妃」とは?
  • 3
    爆破され「瓦礫」と化したロシア国内のドローン基地...2枚の衛星画像が示す「シャヘド136」発射拠点の被害規模
  • 4
    ウクライナ戦闘機、ロシア防空システムを「無効化」.…
  • 5
    ガチ中華ってホントに美味しいの? 中国人の私はオス…
  • 6
    ミラノ五輪狙う韓国女子フィギュアのイ・ヘイン、セク…
  • 7
    「大丈夫」...アン王女の容態について、夫ローレンス…
  • 8
    キャサリン妃は「ロイヤルウェディング」で何を着た…
  • 9
    衛星画像で発見された米海軍の極秘潜水艇「マンタレ…
  • 10
    貨物コンテナを蜂の巣のように改造した自爆ドローン…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に
  • 3
    ニシキヘビの体内に行方不明の女性...「腹を切開するシーン」が公開される インドネシア
  • 4
    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…
  • 5
    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車…
  • 6
    新型コロナ変異株「フラート」が感染拡大中...今夏は…
  • 7
    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「…
  • 8
    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…
  • 9
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「…
  • 10
    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思ってい…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story