オスマン帝国の記憶を取り戻し始めたトルコ
だがこの成功で、トルコは少しいい気になったようだ。11月のテュルク諸国機構首脳会議で、「北キプロス」(キプロス島北部。トルコ系住民が多いため、トルコが軍を送って「独立」させたが、他にこれを承認している国はない)にオブザーバー参加の資格を認めるよう迫り、中央アジア諸国はこれを拒否した。それにもかかわらず、エルドアンは「認められた」とツイートした。
大国は身勝手で強引なものだ。特に昔、帝国だった国は、弱い相手を前にすぐつけ上がる。このままでは、トルコ外交も伸び悩むことだろう。ロシアのウクライナ侵攻、中国のウイグル弾圧......。「帝国」のDNAは自分のためにならないのだ。
とはいえ、日本も奇麗事は言っていられない。アメリカという大国に放り出されたり、市場を閉められたりしたら、どうするのだ?
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
「またトラ」でウクライナ停戦が成立すれば、北朝鮮兵が平和維持軍に? 2024.11.12
中国経済が失速しても世界経済の底は抜けない 2024.10.22
「焦げたアンパンマン」? 石破首相はワルになれ! 2024.10.08
強権政治家、故フジモリ大統領を礼賛した日本社会のリーダー像 2024.09.26
テレグラムCEOドゥロフは、国境を突き破るIT巨人 2024.09.06
日本にキレるロシアには大人の対応を 2024.08.24
米経済の立て直しには「根本治療」が必要だ 2024.08.01