「近代」を目指して日本が歩んだ道は間違っていない
今の世界で、多くの先進国は方向性を見失っている。民主主義はポピュリズムに変質し、資本主義は格差を広げるばかりだからだ。その中で、「近代」や資本主義を否定することが、一種の流行になっている。
もったいない。「近代」の産業革命が大きな中産階級を創出し、それが民主主義を支えてきたのだ。格差も、カネでカネを生む金融資本主義が生むもので、近代の産業革命はむしろ格差を縮小した存在だ。その近代を否定するのは、自分を足から食らっていくようなもの。まして日本では、欧米諸国ほど、金融資本主義は育っていない。
だからわれわれは、青年世代に育つ健全な感覚に期待しようではないか。あるポップ歌手はこう歌っている。
──もしも生まれ変わっても 私はわたしを生きたい いつかそう思えるようにMy Will 生きてゆこう──(大黒摩季「My Will ~世界は変えられなくても~」より)

アマゾンに飛びます
2025年4月22日号(4月15日発売)は「トランプショック」特集。関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
グリーンランドを地上げするトランプ、その真意は? 2025.04.08
領土は売買できるもの――「トランプ新世」の価値観に対応せよ 2025.03.28
アメリカの対中優位は揺るがないのか......「旧友」ジョセフ・ナイ教授との議論 2025.03.15
ウクライナ停戦は世界のパラダイムシフトを引き起こすのか 2025.02.28
日本でも世界でも、公共事業で整備された近代インフラは老朽化でもう限界 2025.02.14
ゼレンスキー主演『国民の僕』あらすじから占う、2025年ウクライナ情勢と停戦後の命運 2025.02.01